Acrylamid in foods

加工食品中のアクリルアミドに発ガン性?

アクリルアミドとリスク調査
 FDAの「FDA Draft Action Plan for Acrylamide in Food」(食品中のアクリルアミドについての行動計画--FDA草案)という文書によると、発ガン性や遺伝子損傷のリスクを含むアクリルアミド(Acrylamide)という物質が加工食品中に生成されることがあるという報告が、2002年4月24日にスエーデン国立食品庁とストックホルム大学の共同研究グループにより発表されました。
 アクリルアミドは、最もよく知られているのが排水中などの沈殿物凝固剤として使用される有機化学物質(organic chemical)ということです。その他、塗料やプラスチックの原料として用いられてきました。
 毒性については、ラット(rat)やはつかねずみ(mice)の長期間にわたる動物実験で、水に混ぜて与えると、ごく低い量(一日あたり2 mg/kg body weight)でも、発がんに影響があるという結果が出ています。
 ラットは、とくに乳腺、腎臓、陰嚢のがんに、そして、はつかねずみは肝がんや皮膚がんにかかる確率が増えたということです。
 また、ラットと人とは、アクリルアミドの摂取で発がんへの感受性は同じだろうと推測されています。

 この報告を受けて、WHO(World Health Organization)とFAO(国連食糧農業機関)は合同で2002年6月、 「Acrylamide in Food Network」を構成し、食品中のアクリルアミドの調査と分析が、ヨーロッパ各国とアメリカを中心に急いで進められているところです。
 日本は、こうした世界の流れの中、厚生労働省が「加工食品中アクリルアミドに関するQ&A」、国立医薬品食品衛生研究所が「食品中のアクリルアミド分析結果」などの情報提供をしています。

どんなものに含まれるのか
 先のFDA Draft Action Plan for Acrylamide in Foodによると、アクリルアミドは、120度以上の高温で炭水化物を多く含む食品(carbohydrate-rich foods)を調理すると、食品中に副産物(byproduct)として生じる
 例えば、フライドポテトやベクドポテト、スナック菓子、パン、シリアルなどに多く含まれていることがあります。
 「ことがある」というのは、FDAのExploratory Data on Acrylamide in Foods(このデータはまだ不完全なので配付が禁じられています)のデータを見ると、同じメーカーの製品であっても、作った場所(店鋪)により、その含有量が大きく変わるためです。
 はっきりとした理由は不明ですが、作った時の調理温度や、調理過程、調理時間によってアクリルアミドの生成量が変わると推測されています。

気になるがんとの関係
 厚生労働省の人口動態統計の「性別にみた死因順位(第10位まで)別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合」によると、日本の死因で最も多いのは悪性新生物であり、その割合は増え続けています。

厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態統計

年次

悪性新生物

死亡数

死亡総数に占める割合 (%)

男性(%)

女性 (%)

1998年

283,921

30.3%

33.6 %

26.3%

1999年

290,556

29.6%

32.9 %

25.7%

2000年

295,484

30.7%

34.1 %

26.7%

2001年

300,658

31.0%

34.3%

27.0%


 最新の調査(2001年)によると、男性に限っていえば悪性新生物による死亡が総ての死因の3分の1を超えるまでになっており、がんの驚異は身近に迫っている感じです。
 そして、がんの原因がその30パーセントが食生活であろうとされるので、一人ひとりが防衛のため、バランスのとれた食事(balanced diet)をとることがより重要になったといえそうです。
 がんは、一般に生活習慣病と呼ばれ、その責任があたかも個人の責任によるところが多いように表現されますが、一方で工場ばい煙や自動車の排気ガス、農産物の農薬汚染、動物中の残留医薬品、輸入食品の食品添加物の問題なども気になるところです。

さらに調査が必要
 文書を読みすすむと、アクリルアミドは、動物実験では発ガン性が立証れているものの、人におよぼす影響などについては、はっきりとした確証はなく、現時点では調査や分析の準備段階ということです。

 どれほどの量のアクリルアミドが食品からとられている可能性があるかという問いには、スエーデン国立食品庁の「Acrylamide in foodstuffs, consumption and intake」(食料品中に含まれるアクリルアミド、消費と摂取)が参考になると思います。
 これによると、the NFA food survey "Riksmaten 1997-98"の調査では、平均で一日25マイクログラム摂取されており、スナックやジャンクフードを多くとるグループはその6倍が体の中に入っているとされます。
 例えば13歳くらいの子ども達が、その体重量にくらべてもっとも多くの食品経由のアクリルアミドをとっている可能性があります。危惧されるのは、彼等が成熟過程にあるので、遺伝子や生殖細胞への影響を受けやすいことです。

 ともかく、あまりに確定的な情報が少ないため、今後調査が進み、情報が提供されなければならないのは、

  1. 食品中のアクリルアミドが潜在的に人にがんを引き起こさせることがあるかどうか
  2. 遺伝子に影響を与えないかどうか
  3. 生殖細胞に突然変異を起こさせないかどうか
  4. どんな食品にアクリルアミドが生成されるのか
などです。  
参考:
1マイクログラム=1000分の1mg ng(ナノグラム)=10億分の1g
関連URL:
FDA Draft Action Plan for Acrylamide in Food FDA
Acrylamide WHO
スエーデン国立食品庁
食品中のアクリルアミド分析結果 国立医薬品食品衛生研究所
人口動態統計 厚生労働省
加工食品中アクリルアミドに関するQ&A 厚生労働省

ホームへ(Home)戻る(scrap book)