この報告を受けて、WHO(World Health Organization)とFAO(国連食糧農業機関)は合同で2002年6月、 「Acrylamide in Food Network」を構成し、食品中のアクリルアミドの調査と分析が、ヨーロッパ各国とアメリカを中心に急いで進められているところです。
日本は、こうした世界の流れの中、厚生労働省が「加工食品中アクリルアミドに関するQ&A」、国立医薬品食品衛生研究所が「食品中のアクリルアミド分析結果」などの情報提供をしています。
どんなものに含まれるのか
先のFDA Draft Action Plan for Acrylamide in Foodによると、アクリルアミドは、120度以上の高温で炭水化物を多く含む食品(carbohydrate-rich foods)を調理すると、食品中に副産物(byproduct)として生じる。
例えば、フライドポテトやベクドポテト、スナック菓子、パン、シリアルなどに多く含まれていることがあります。
「ことがある」というのは、FDAのExploratory Data on Acrylamide in Foods(このデータはまだ不完全なので配付が禁じられています)のデータを見ると、同じメーカーの製品であっても、作った場所(店鋪)により、その含有量が大きく変わるためです。
はっきりとした理由は不明ですが、作った時の調理温度や、調理過程、調理時間によってアクリルアミドの生成量が変わると推測されています。
気になるがんとの関係
厚生労働省の人口動態統計の「性別にみた死因順位(第10位まで)別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合」によると、日本の死因で最も多いのは悪性新生物であり、その割合は増え続けています。
厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態統計 | |||||
年次 | 悪性新生物 | ||||
死亡数 | 死亡総数に占める割合 (%) | 男性(%) | 女性 (%) | ||
1998年 | 283,921 | 30.3% | 33.6 % | 26.3% | |
1999年 | 290,556 | 29.6% | 32.9 % | 25.7% | |
2000年 | 295,484 | 30.7% | 34.1 % | 26.7% | |
2001年 | 300,658 | 31.0% | 34.3% | 27.0% | |
さらに調査が必要
文書を読みすすむと、アクリルアミドは、動物実験では発ガン性が立証れているものの、人におよぼす影響などについては、はっきりとした確証はなく、現時点では調査や分析の準備段階ということです。
どれほどの量のアクリルアミドが食品からとられている可能性があるかという問いには、スエーデン国立食品庁の「Acrylamide in foodstuffs, consumption and intake」(食料品中に含まれるアクリルアミド、消費と摂取)が参考になると思います。
これによると、the NFA food survey "Riksmaten 1997-98"の調査では、平均で一日25マイクログラム摂取されており、スナックやジャンクフードを多くとるグループはその6倍が体の中に入っているとされます。
例えば13歳くらいの子ども達が、その体重量にくらべてもっとも多くの食品経由のアクリルアミドをとっている可能性があります。危惧されるのは、彼等が成熟過程にあるので、遺伝子や生殖細胞への影響を受けやすいことです。
ともかく、あまりに確定的な情報が少ないため、今後調査が進み、情報が提供されなければならないのは、