農業が抱える問題
農水省は、農業基本法の改訂をすすめる中で、このほど(平成10年9月)「食料・農業・農村基本問題調査会」の答申を受けました。
この答申のコンセプトは、「人口・食料・環境・エネルギー問題は地球的規模で課題となっており、未来に対する不透明感の下に、生きる上での安全と安心が切実な問題となりつつある」ということで、農業もその意味で構造的な変革が迫られています。
そして、「食料・農業・農村の抱える厳しい諸問題」として次のものが上げられてます。
こうした問題を考慮するなかで、行政府がイメージする数年先の農業形態は、大規模で効率的な経営であるようです。
しかし実態とは大きくかけ離れているため、こうした経営に移行するまで、次のような保護政策が引き続き行われます
食生活の変容
一方、私たちの食生活は、急激に変わりつつあります。夫婦共働きや単身生活(学生や高齢者や独身者、そして単身赴任者)の増加により、いわゆる「中食」と呼ばれるものの売り上げが伸びています。それは、弁当、惣菜、調理パン、そして加工食品(カップ麺やレトルト食品)など、手間をかけずにすぐに食べられるものです。
また、「食べる時間」は、個・孤食化の傾向があり、「食事に時間をかけず、すぐに済ませてしまう」ことが多いです。
つまり、家族はそれぞれバラバラに別のものを食べたり、別の時間に食べることが多かったり、そして食事の時間が不規則になりました。
夫は通勤時間が長くなって夕食時間に間に合わず、子どもたちは塾などで帰宅が遅くなります。妻はパートなどで忙しいです。
それで、食料白書(97)によると、コンビニエンスストアーの年間販売額は、l988年の約5兆円に対し、1994年では8兆3千億円と急成長しました。
健康に対する不安
ところで、現代は大気汚染や水質汚染や農薬汚染や環境ホルモンなど、などさまざまな化学物質の中で生活しなければならないので、どうしても体の健康に不安を感じます。
また、食生活は、相当大きな部分を外食産業やコンビニやファーストフードチェーン、そしてテイクアウト店(弁当屋、惣菜屋)などに頼ることになりました。そして、それとともに「食品の安全性」(の担い手)は個人から企業の方へシフトする傾向にあるようです。
言い換えると、食糧の需給が、農家と消費者の関係のなかでは実感できずに、むしろ加工品の製造業者の方へ期待したり、または責任を求めたりしているようにも思えます。
こうしたことを反映してか、「食品の安全性」は、食料の加工・製造段階で、HACCP(危害分析・重要管理点)手法の導入などにより、食料の衛生管理・品質管理の高度化に求められているようです。
参考資料:
農業白書(平成9年版)
食料白書「食生活の変容の潮流」(1997)(農山漁村文化協会)