耕作地減少の状況
JA(全国農協中央会)のホームページは、耕作地の減少について詳しい統計データを掲載しています。
そのうちの農林水産省「耕地及び作付面積調査」によると、全国の耕作地の面積は年々減少しており、1995年時点で過去10年間に341haが減少しました。これは、耕作地の6.3%にあたります。
また、そのうちで最も打撃が深いのは、「樹園地」と呼ばれる畑で、この10年間に141.6haが放棄され、その割合は25.8%にのぼります。つまり、中山間地の農家の荒廃と苦しさが推測されます。
水田の方は、207haで約7%の減少です。
減反
「減反」という言葉は、もうずいぶん前からたびたび聞きますが、このことと今回の農業基本法の改訂で主題の一つといわれる「食糧自給率を上げる」こととはどう折り合いがつくのでしょうか。
新潟日報の「がけっぷちの減反」シリーズの記事を読むと、多くの農家は、国から補助金をもらいながら自分たちの農業経営活動を狭めていることに嫌気を感じているようです。
減反政策は、農家が米ばかりでなくいろいろな農作物を作るように、国がお金を出して「そうなったらいいな」ということをお願いしているらしいです。
米の値段は、農家所得をある水準に保たせるために「生産者米価(新食糧法により政府米価格)」を決めて、割高になっています。一方で、農家がこの理由から、有利な米を作りたがるのも当然です。ことに兼業農家は、時間的余裕が持て、手間がかからず割りのよい米作りをします。更に一方で、国は生産過剰が原因で「米の値が落ち、他の善良な(減反をしてくれた)農家が苦しまないように?」生産調整(減反)を押し進めています。
土地や作物(大豆やレンコンなど)によって違うらしいですが、だいたい10a当り国から3〜5万円の転作奨励金と、町から数千円と、村から数千円の助成金がでます。それを払って、なんとか農家が他の商品を作るように指導しているようです。
また、それに加えて、「国県は、減反達成市町村の補助事業優先採択の方針を打ち出し」、減反を達成した市町村に公共事業の予算をつけるシステムになっています。
兼業農家
農水省の「農家の経済状態」というリポートによると、販売農家平均の農家総所得は892万円であり、そのうち農産物を売って得た収入は、全国平均でわずかに16%に過ぎません。その他84%の所得は、土地や家作を貸したり、勤め先収入などです。つまり、ほとんど多くの農家は兼業ということになります。
兼業農家は、残念ながら大豆や麦や飼料作物を作る能力はないと思われます。人手がないし、大変なのにむしろ収入が減るからです。また、作ったとしても、製品の値段は、大きなコストがかかり、割高になるでしょう。例えばある地域では、麦を作るとして農家には10a当たり12万5000円の収入があるが、そのうち11万円が転作奨励金という補助金です。つまり、麦穂のほとんどの成分が税金ということになってしまいます。
最近、有機農産物が消費者のニーズとして盛り上がりつつありますが、日本の農家はこれを作れないかもしれません。手がかかり、リスクが大きく、そして有機物を確保するために牛や豚などの動物を飼う必要があるからです。これができるのは、消費経済や補助金に毒されないような中山間地の農家と思われますが、上に見るようにこの地域の農家に元気がないので、心配です。