アマメシバで健康被害

アマメシバで呼吸困難に

アマメシバで健康被害

健康被害で厚労省
改正食品衛生法で初
 東南アジア原産の植物「アマメシバ」を粉末状にした健康食品の利用者が重い気管支炎になるケースが相次いでいる問題で厚生労働省は二十九日(2003.8.29)、この健康食品を販売禁止とする方針を決め、食品安全委員会に健康影響評価を求めた。同省は、結論が出るまで利用を控えるよう消費者に呼びかける。
 食品衛生法は、中国製ダイエット食品による健康被害を教訓に、因果関係が明確でなくても販売を禁止できるよう改正され、新規定が同日施行されたばかり。アマメシバが初適用になる。同省には今月に入って名古屋市から七十代の母と五十代の娘、鹿児島市から四十代女性の計三人について閉塞(へいそく)性細気管支炎の報告があり、いずれも医師が「アマメシバが原因と疑われる」と診断した。横浜市にも五十代の母と二十代の娘について健康被害が報告されている。アマメシバの粉末などは「レジーナス」などの商品名でも販売されている。
2003.8.30東京新聞日刊

1994年に台湾で起こったケース

 厚労省は、都道府県等から報告されたいわゆる健康食品に係る健康被害事例についてのページで情報提供している。
 このページによると、アマメシバ(天芽芝)は、学名がSauropus androgynusで、マレーシア、ボルネオ等の東南アジアを原産とする。また、日本では、生産量,流通量ともに不明ながら、沖縄で生鮮アマメシバが年間3,000トン生産されているかもしれないということだ。

また、同ページには、「台湾において、1994、5年から2000年にかけて、生鮮アマメシバのジュースをダイエット目的で摂取した女性等、200〜300名に肺障害が発生(うち10名前後死亡)した」という記事があるので、参考になるものがあるかどうか調べてみた。
 検索エンジンGoogleで、Sauropus androgynus lungというキーワードで調べたところ、台湾のある病院に繋がった。
 それは、高雄(Kaohsiung)市の高雄総合病院の胸腔内科(devision of chest medicine)がBronchiolitis Obliterans Syndrome Associated with Consumption of Sauropus androgynus: An Outbreak in Taiwan (アマメシバを摂取したことが原因と思われる気管支炎症状:台湾における発生)(1996)というリポート。
 このリポートによると、アマメシバを摂取した人が必ず肺障害に陥るわけではなく、限られた人に起こっている。そして、症状が出た人の多くは、はじめ息切れを感じ、次第に息苦しさが増し、呼吸困難と絶えまない咳に苦しむようになる。
 この病院では、94人の患者を問診、X線、肺機能テスト、免疫学および微生物学的検査、病原学的検査を通じて評価した。
 これによると、胸部X線は本質的に正常。肺のコンピュータ断層写真は、両側の気管支炎とモザイク状の隙間だらけで希薄化した肺のparenchymaが見てとれた。肺の組織を染色(Immunohistochemical stains)して生体検査したところ、T型細胞がおびただしく占めているのが分かった。

アメアシバの服用量と呼吸障害の症状

 また、同病院のIrreversible Obstructive Lung Disease Induced by Taking Vegetable Sauropus Anhydrogynus as Weight-Reducing Diet(体重減量ダイエットを目的にアマメシバという野菜を摂取したことにり、完全には治癒することができない肺障害が誘発されたこと)という記事によると、156人の人が治療に訪れたが、そのうちの94%が女性だった。平均年令は40.2歳。そして、彼女たちは、大体一日平均200ミリグラム(4分の1ユニット)をジュースなどにして摂取していた。

 この病院の分析では、肺の障害が起きたのは、トータルな服用量が問題だろうとされる。
 これらの患者で呼吸障害(obstructive ventilator)が起こった確率を見ると、トータルの摂取量が1200ミリグラム未満と少なかった人が9%だったのに対して、1200〜3000ミリグラム未満で11%、3000〜4800ミリグラム未満で39%、そしてトータルの服用量が最も多かった4800ミリグラム以上は38%だった。
 また、肺の障害の重症度も、トータルな服用量が多いとそれだけ重いという結果が出た。
 肺の呼吸機能障害(obstructive ventilator defect)になった患者の3分の2の人は、アマメシバを服用後4〜5ヶ月(アメリカのProMedの記事では4週間)で呼吸困難の症状が出始めたということです。
 障害が重くobstructive ventilator defectの状態になると、たとえコルチコステロイドの大量投与による治療をしたとしても、再び肺の機能が正常に戻ることはない。

 Lung transplantation for patients with end-stage Sauropus androgynus-induced bronchiolitis obliterans (SABO) syndrome(アマメシバの摂取でSABO症候群の最終ステージに至った患者の肺臓移植)という記事によると、SABO症候群の最終ステージに至った重傷患者の生存率をあげる効果的な方法は臓器移植しかないが、残念ながら移植自体の生存率は良くない。

   2003.9.2現在インターネットの通販ページなどでは、沖縄特産 スーパー野菜「レジーナス」、「レジーナスダイエット」として、食物繊維が豊富で、多彩な栄養素がバランスよく含まれているというふうに販売されているが、厚生労働省では、この健康食品を販売禁止とする方針をきめ、消費者には摂取をしないように呼び掛けている。


  関連URL:
都道府県等から報告されたいわゆる健康食品に係る健康被害事例について 厚生労働省
Bronchiolitis Obliterans Syndrome Associated with Consumption of Sauropus androgynus: An Outbreak in Taiwan 台湾Veterans General Hospital-Kaohsiung
Irreversible Obstructive Lung Disease Induced by Taking Vegetable Sauropus Anhydrogynus as Weight-Reducing Diet 台湾Veterans General Hospital-Kaohsiung
Lung transplantation for patients with end-stage Sauropus androgynus-induced bronchiolitis obliterans (SABO) syndrome Blackwell publishing
Outbreak of obstructive ventilatory impairment associated with consumption of Sauropus androgynus vegetable. PubMedアメリカ保健省

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