不安障害

健康・スクラップブック


ストレスが原因と見られる不安障害

 Q...平成7年9月10日に、突然、頭痛がし、その直後、急に胸が苦しくなりました。顔面そう白になり、冷や汗が出て、立つこともやっとの状態で、救急車で病院へ行きました。その後も、夕食後、必ず胸が苦しく、息苦しくなり、恐怖心で寝ることもできず、毎日明け方の5時ごろに床につく始末です。
 別の病院で、血圧と心電図の検査を受けましたが、心電図には異常がありませんでした。血圧は上も下も高かったのですが、薬で今は平常に戻ってきました。また、よく一肩がこり、背中の中心が痛み統けています。自分の病気がどんな病気なのか、心配でなりません。
●53歳・男性、自営業●身長168cm、体重59kg●酒は飲みません。たばこ1日15本。食事は三度の普通食、運動はしていません

 A...不安障害
 胸が苦しくなったり、息苦しくなる〃胸痛〃の症状は、いろいろな疾患で起こります。
 40〜50歳の年代で多いのは、狭心症などの虚血性心疾患ですが、検査では異常が見られないようですから、こうした身体疾患は、とりあえず否定してもよいだろうと思われます。
 お尋ねのように、身体疾患がないのに息が苦しくなったり、胸苦しさが発作的に現われ、1〜2時間続く場合は、「不安障害」によることが考えられます。不安障害は、心の病ですが、このうち身体的な症状が主に現われるものでは、「動悸、吐き気、頭痛、めまい、ふらつき、頭がボーッとなるような感じ」などが著しくなります。

パニック発作
 時には今にも倒れてしまいそうな感じや、死んでしまいそうな恐怖感に襲われることもあります。このような症状が発作的に現われるものを、不安障害のなかでも「パニック発作」といいます。
 このうち「空間恐怖」と呼ばれるタイプは、自分の自由にならない状況や空間、例えば、電車、バス、飛行機など乗り物の中、駅やデパートなどの〃人込みで倒れてしまったらどうしよう〃などと考えるうちに、「動悸、呼吸困難感、めまい」などの症状が起こってくるもので、発作が起きるのではないかと考えただけでも、不安が強くなってきます。動悸や息苦しさなどの発作が起こっているときは、不安のために一時的に脈が速くなったり、血圧が上がりますので、高血圧による症状と間違えられる場合も少なくありません。以上の症状の原因として、大脳の中の神経伝達物質の異常が考えられていますが、すべてが解明されているわけではありません。

ストレスが原因か?
 日ごろから,肩や背中にこりや痛みがあるということですから、知らず知らずのうちに精神的なストレスがたまって、そのために肩や背中の筋肉が緊張しているのかもしれません。仕事に一生懸命になるあまり、ストレスをストレスとして感じていないケースは案外多く、そのことによって、身体的な症状が出ていることも考えられます。
 治療としては、抗不安薬や抗うつ薬が有効ですが、こうした症状が現われる状況をどう受け止め、どのように考えるかということも問題になりますので、心理面の指導も重要です。日常生活のなかのストレスが原因で、身体的な症状が起こっている場合は、ストレスへの対処のしかたも必要となりますので、精神科か心療内科を受診されることをお勧めします。

 東邦大学医学部助教授 坪井康次先生
 「きょうの健康」日本放送出版会1996年7月号


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