Aristolochia acid

Aristolochia acidを含むサプリメントと健康被害

FDAによる注意喚起
 FDAは、ここのところ(2001.4)さかんに、aristolochic acid(アリストロキア酸)が含まれるようなサプリメント(Dietary supplements)を摂取しないように注意を呼び掛けています。
 それは、2001年4月11日に発表された「FDA WARNS CONSUMERS TO DISCONTINUE USE OF BOTANICAL PRODUCTS THAT CONTAIN ARISTOLOCHIC ACID」(FDAは、アリストロキア酸を含む植物からとった製品の使用を中止するよう消費者に注意を促す)という文書です。
 また、同サイトの「Letter to Health Professionals Regarding Safety Concerns Related to the Use of Botanical Products Containing Aristolochic Acid」という文書では、アメリカ国内では最近2つのケースで、シリアスな腎臓の障害にいたったことが報告されています。
 一人は女性で、1994年にAristolochia acidを含む漢方薬を使いはじめて8ヶ月目、腎臓障害の最終ステージにいたり、1996年に腎臓移植を受けました。そして他の一人は、Stephania tabletsと呼ばれるサプリメントを、1994年からほぼ2年の間使い続け、最近になって腎臓障害の最終ステージと診断され、腎臓移植の順番待ちをしているということです。

aristolochic acid(アリストロキア酸)って何?
 aristolochic acidは、もともとAristolochia属の植物から見いだされたが、他のいくつかの漢方生薬からも検出されるようです。
 日本の厚生労働省が2000年7月に出した医薬品・医療用具等安全性情報NO.161の「4.アリストロキア酸を含有する生薬・漢方薬について」によると、「アリストロキア酸はアリストロキア属の植物に含有される成分で、腎障害を引き起こすことが知られている。日本においては、現在、アリストロキア酸を含有する生薬及び漢方製剤は医薬品として承認許可を受けたものとしては製造・輸入されていないが、アリストロキア酸を含む漢方薬の個人使用によると疑われる腎障害が報告されている」ということです。
 さらに、「生薬の呼称は国により異なる場合があり、生薬の取扱いについては注意を要する」と書かれています。

 例えば日本で木通と言うのは、「アケビやミツバアケビのつる性の茎」で、消炎性利尿薬として、むくみ、月経不順などに用いられていますが、「中国等では、アリストロキア酸を含有する関木通(キダチウマノスズクサ Aristolochia manshuriensis Kom.)が「木通」として用いられることがある」ということで、これらを取り違えて流通してしまうことがあるようです。
 日本でも3年前(1997.)に冷え性やアトピー性皮膚炎に良いとして処方された生薬「関木通」を含む漢方薬が、腎機能障害の副作用を起こし、当時の厚生省から回収を命じられたことがありました。(この関連の情報は、ホームページ内のアレルギー最新ニュースに)

 aristolochic acidに関連して、取り違える可能性のある生薬は、

あるダイエット食品に含まれていた
 今回のFDAの注意喚起は、処方薬ばかりで無く、アメリカ国内で18のサプリメント製品に、aristolochic acid(アリストロキア酸)が検出されたことを受けて、行ったもののようです。
 例えばBioSlimのようなダイエット効果をうたっているものにも含まれるので、健康食品やハーブティーなどをインターネットで買う場合、注意が必要でしょう。
 その製品名と会社名(売られているサイト名)のリストは、「Attachment D - Botanical Products Determined by FDA to Contain Aristolochic Acids」のページに整理されています。

  1. Rheumixx
  2. BioSlim Doctor's Natural Weight Loss System Slim Tone Formula
  3. Prostatin
  4. Fang Ji Stephania
  5. Mu Tong Clematis armandi
  6. Temple of Heaven Chinese Herbs Radix aristolochiae
  7. Meridian Circulation
  8. Qualiherb Chinese Herbal Formulas Dianthus Formulas Ba Zheng San
  9. Clematis & Carthamus Formula 21280 (2 samples)
  10. Virginia Snake Root, Cut Aristolochia serpentaria (2,samples)
  11. Green Kingdom Akebia Extract
  12. Green Kingdom Stephania Extract
  13. Neo Concept Aller Relief
  14. Mu Tong Clematis armandi
  15. Fang Ji Stephania
  16. Stephania tetrandra, roots, whole
発がん(cancer)の可能性も
 前出のアメリカFDAの「Letter to Health Professionals Regarding Safety Concerns Related to the Use of Botanical Products Containing Aristolochic Acid」によると、かつてベルギーでは、1990年〜1992年にある医院のダイエット食生法により、アリストロキア酸を含むダイエット薬(weight-reducing pill)が販売され、約100人が腎臓障害を起こしました。そのうちの、70人が腎臓に決定的で深刻なダメージを受け、生涯を通じた透析療法か腎臓移植が必要となりました。
 また、39人の人が腎臓の検査手術に同意し、そのうちの18のケースで、泌尿器系の?悪性腫瘍(urothelial cancer)が見つかったと言うことです。

 ベルギーの事件の研究リポートは、The New England Journal of Medicine -- June 8, 2000 -- Vol. 342, No. 23 「Cancer and Herb」で参照することができます。

 ハーブや植物油来の成分を含むサプリメントは、一般の医薬品に比べナチュラルで安全な感じで販売され、売り上げ高を急激に延ばしています。また、インターネットでは、あるダイエット法と抱き合わせにして、サプリメントを販売するようなケースも見らます。
 日本においてサプリメントはあくまで食品であり、内容成分について公的な機関が検査しているわけではないので、消費者はより注意が必要かもしれません。


関連URL:
FDA WARNS CONSUMERS TO DISCONTINUE USE OF BOTANICAL PRODUCTS THAT CONTAIN ARISTOLOCHIC ACID FDA
Letter to Health Professionals Regarding Safety Concerns Related to the Use of Botanical Products Containing Aristolochic Acid FDA
医薬品・医療用具等安全性情報NO.161 厚生労働省
Attachment D - Botanical Products Determined by FDA to Contain Aristolochic Acids FDA
Cancer and Herb he New England Journal of Medicine

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