ごみ焼却場などから出る毒性の高いダイオキシンを効率よく分解するキノコを、福岡県保健環境研究所と九州大学農学部の共同研究チームが発見した。二十六日(3.26.1997)から東京などで開かれる薬学学会で発表する。(白色腐朽菌は)腐食した倒木などで繁殖するキノコの一種。汚染土壌の浄化や焼却場の処理プラントなどに実用化をめざす。
発見したのは「白色腐朽菌」と呼ばれる白いキノコの一種。木材の腐食した部分に付着して木の主成分であるリグニンを分解する。これまでに米国の研究者が殺虫剤のDDTなどを分解する能力を確認しており、今回はダイオキシンにも応用を試みた。
培地で育てた2ミリグラムの菌に、焼却灰から集めた約2ナノ(1ナノは10億分の1)グラムのダイオキシンを与え、一カ月培養したところ、50〜75%が二酸化炭素と水に分解したという。福岡県保健環境研究所の高田智専門研究員は「キノコが出す酵素がうまくダイオキシンを分解しているのではないか」と話している。
ダイオキシンは発がん性などが指摘されるほか、分解が難しく処理が厄介。発見したキノコは分解速度は遅いが、簡易な施設で分解が可能と見られ、幅広い応用が期待できるとしている。
日経新聞日刊 3.15.1997
また、「高田智」さんとロボット型の検索エンジンで探してみると、東京都衛生研究所の地研業績データに「 白色腐朽菌によるダイオキシン類の分解」代表者 : 高田智 地研名 : 福岡県 発表年 :1994や「白色腐朽菌Phanerochaete chrysosporium によるPCDDS及びPCDFSの分解」
代表者 : 高田智 地研名 : 福岡県 発表年 :1995がありました。これらの入手方法は不明です。
そして高田さんは、「環境化学vol.1.4」という雑誌に「大気中のコプラナーPCBの濃度と特性」といものを共同執筆されています。そのバックナンバーはインターネットから手にはいるようです。
多くの地方自治体は、ごみ焼却炉からでた焼却灰の最終処分場を持たず、困り果てています。ある自治体では、毒性の強さを知りながらも野積みにしていたり、またある自治体では他の自治体に処分を委託しトラックで運び出したり、とりあえず対策を先送りしているのが現状のようです。
こうした焼却灰が、「白色腐朽菌」により分解され、より安全に処理される道が開けるかもしれません。