遺伝子組換え作物や農薬は、ダイオキシンや環境ホルモンとともにこのホームページでも少しずつ調べてきたところです。
遺伝子組換え作物を推進する人々は、よく「除草剤耐性や耐虫性の作物(遺伝子組換え作物) 対 大量の農薬を使って作られた作物」という二項対立を作り、どちらを選ぶのかという問題設定をされます。こう言われると、つい怖い農薬より新しい技術で作られた作物を選びたいという感じになります。その反面、この問題のたて方がどうも「うさん臭い」気がしないでもありません。
よく言われるのは、近代的な農業経営は、作物の量と質を確保するためにどうしても農薬を大量に使う必要があるということです。しかし、これは本当なのでしょうか。
また、遺伝子組換え作物が、農薬を使う悪い循環から農業経営者と消費者をともに救うことになる。これは本当なのでしょうか。
そこで、実際に農場を経営されている中江拓司さんに、電子メールでお尋ねすることにしました。中江さんは、北海道の美幌でばれいしょの生産をされています。一年ほど前に、このホームページにポテト料理のレシピを提供していただいて、それ以来電子メールのお付き合いをさせてもらっています。
Q 遺伝子組換え作物に生産者として期待されていますか?
米国の遺伝子組み換えじゃがいもの主目的は、コロラドポテトビートルというでっかいコガネムシの被害に対する耐虫性を持たせたものが有名ですが、日本でもじゃがいもを食害するナストビハムシという小さいコガネムシがいます。食用じゃがいもを出荷する農家は、一般に殺虫剤散布し、じゃがいもの表皮に穴を開けられることを防ぐことができますので、それを使う必要はないと思われます。
私の場合は、極力農薬を使わないようにしていますので、ナストビハムシには、好きに食べてもらっています。(^_^;)じゃがいもに穴はあきますが、2パーセント程度ですから、出荷前選別の段階で排除します。(穴あきは食べる立場としては好まないでしょうから、出荷しません。)
もちろん、遺伝子組み換え作物には、期待していません。とくに、大豆については、国内の自給率が低く、かなり入ってきているといわれています。安全性論議がありますが、最低限表示をすべきです。選ぶ権利を奪うべきではないと思います。問題は、大豆のほとんどを海外に頼っていますから、選ぼうにも選べないということがあり得るわけです。
で、実は、私は大豆をじゃがいもの輪作作物として選びました。天候も幸いして、有機・無農薬栽培でしたが、ウィルス感染率も2割以下で、けっこうとれました。ところが、組み換えダイズへの意地で作ったようなものでして、販売努力を怠っていまして、いまだに家の中で600キロも麻袋の大豆をあっためております。(^_^;)農協に入っていないと政府にも買ってもらうわけにもいきませんので、けっこう苦労しますね。味噌用大豆なので、手作り味噌ファンの方がいらっしゃいましたら、ご紹介ください。(失礼しました。販売PRになってしまいましたね。)
Q そして、このバレイショが日本の農業に浸透していくと感じられていますか?
じゃがいもについては、植物防疫法で生いもは輸入禁止ですが、冷凍調整品の輸入はさかんです。フライポテトなどになるあれです。浸透するとしたら、これらの輸入じゃがいもからでしょう。
農薬は、奥が深い問題なので、これから少しずつ調べたいと思います。また、害虫ばかりでなく天敵と呼ばれる農業に都合がよい虫も研究されているようです。