獣畜のと殺禁止または廃棄件数
「食品衛生研究」の2月号(1999)は、「獣畜のとさつ禁止または廃棄実頭数」(平成9年度)を掲載しました。これによると、畜牛の廃棄率は、年をおうごとに高くなり、50%を超えるまでになっています。
| 平成4年 | 177 | 7,734 | 700,151 | 1483,039 | 47.7% |
| 平成5年 | 184 | 9,115 | 729,093 | 1502,495 | 49.1% |
| 平成6年 | 319 | 10,244 | 776,058 | 1532,394 | 51.3% |
| 平成7年 | 168 | 9,776 | 767,597 | 1499,812 | 51.8% |
| 平成8年 | 167 | 10,137 | 719,910 | 1391,261 | 52.5% |
| 平成9年 | 212 | 10,928 | 872,782 | 1335,361 | 66.2% |
廃棄は、疾患に侵された部位(内臓が多い)の一部をそぎ落としたり、または全てが捨てられるという意味です。
例えば、腫瘍が見つかった場合は、
そしてMBMは、(これはアメリカの資料ですが)次のように使われてきました。
| ペットフード | 36 |
| 家きんの飼料 | 36 |
| 豚の飼料 | 15 |
| 牛の飼料 | 10 |
| その他 | 3 |
畜産物の生産費
畜産農家の経営は、主に次のような要素により影響を受けるようです。
アメリカでは、1996年にトウモロコシが生産過剰になり、前年の25% 飼料の価格が下がりました。また450ポンドの子牛の価格も32%(1993年比)下がったため、食肉の値段が暴落、畜産農家は生産コストすら回収できなくなりました。そして、多くの家畜の群れは、借金の清算のために市場に放出され、さらに牛肉の市場価格を下げていったということです。
前出の「畜産物生産費統計」では、「去勢若齢肥育牛」の飼養頭数規模別に労働時間と一日当たり家族報酬を比較すると、100頭以上(大規模経営)と20〜29頭(日本の平均)で条件が極端に違っています。平均的飼養農家は、労働時間は3倍で、報酬は4分の1以下です。日本のように、湿った気候であったり、飼料作物の自給率が数%に過ぎないので、畜産経営は不確定な要素が大きく、小さな規模で生き延びることが難しくなっているようです。
つまり、小規模経営の飼養農家は、日本でも相当に苦しいようです。
それで、平成9年度第4四半期に「肉用牛肥育経営安定緊急対策事業(マル緊)」という救済措置が発動され、政府の助成金が支給されました。
アメリカの飼料と牛肉の輸出攻勢
アメリカFDAの「Introduction and profile of the meat animal producing,slaughtering,and rendering industries」(食肉動物生産者、屠畜業、レンダーリングの紹介とプロフィール)によると、アメリカでは、狂牛病(BSE)をはじめとする伝染性脳海綿症(TSE)流行のリスクを減らすために、畜牛の飼料に動物タンパク質など(MBM)を禁止すべきか議論がなされました。
狂牛病は、1996頃にイギリスで流行し、イギリス国内のすべての牛が廃棄処分され、その後沈静の方向に向かいながら、昨年暮れ(1998)にはフランスやベルギーに散発的に飛び火しました。(小規模の内にこの狂牛病は、くい止められました)。
結局、アメリカにおいて、すべての哺乳動物由来の肉や骨や血などは、反すう動物の飼料として使うことが禁じられました。このことは一方で、食肉の価格圧力が強まり、ますます牧畜業者の選択・淘汰が加速されたということです。
ところで、アメリカの輸出の成長は、牧畜関係の市場圧力のいくつかを緩和しています。1995年に牛関連の食肉だけで3.25billion(3802.5億円)の輸出超過(黒字)がありました。
言い換えると、アメリカの牛肉産業は輸出に活路を見い出したということだと思います。
その分日本への攻勢が厳しくなっているのでしょう。
トウモロコシの食べ過ぎ?
最も多いのが、Grain overloadという病気らしいです。
食用動物の病気は、環境や栄養や遺伝、そして薬剤との相互作用で起こるということです。
日本の牛は、和牛がブームになり、脂肪が筋肉部分に網状に入った肉が好まれるため、穀類(特にトウモロコシ)を多給しています。または、輸入牛と競争するため、より付加価値の大きい和牛の生産に突き進んでいます。
この傾向は、一部の生産者を除いて、大勢を占めているようです。
このことは、もともとはアメリカの国内的事情から起こった、トウモロコシの生産過剰による穀類輸出攻勢と、国内価格低落による牛肉の輸出攻勢と無関係でないのかもしれません。