ただ、日本の場合は、有機農産物の市場が未だに混乱状態にあり、「信頼性のあるもの」をどこで買ったら良いのか分からないので、「利用したいのだけれど、できていない」という人も多いと思います。
仕方がないので(?)、産直や共同購入に頼っている状態です。仕方がないというのは、正しい?有機農産物を手に入れられる人は、誤解を覚悟して言うなら、ごく限られた階層であり、「やむにやまれぬ事情があるか、家計に余裕がある」家庭、と思われるからです。
日本は、食べ物へかけるお金が、欧米に比べて多いです。前出のFDAの「Delivering safe food to consumers」には、給料に占める食費の割合は、
ところで、ここでいう「安全な食品」は二つの内容があります。
2.は、農薬が多投されるので、ある種類の動物が絶滅したり、薬に強い変な虫が生まれています。
アメリカや欧州がオーガニックと言っているものは、「有機農産物」と「転換期間中有機農産物」の二つです。しかし、日本では、「有機農産物」、「減農薬栽培農産物」、「無農薬栽培農産物」、「特別栽培農産物」、「無化学肥料農産物」、「減化学肥料栽培農産物」と、いろいろに言います。その定義や内容は、ここでは書きませんが、微妙な表現であり、どうとでも解釈できるものです。
例えば、東京中野の八百屋を観察すると、「有機・減農薬」と併記された段ボール箱が積まれています。
変だなと思い、東京都のホームページを調べてみると、『有機農産物及び特別栽培農産物は、「東京都有機農産物及び特別栽培農産物流通指針」で定めた化学合成農薬、化学肥料ともに5割以上削減して栽培した野菜、果実、茶、米、麦、雑穀等です。』と定義されており、「有機」も「減農薬」も同じように扱って良いのでした。
消費者が持っている「無農薬」や「有機」のイメージと、国(農水省)のガイドラインと、地方公共団体が定義しているガイドラインは、それぞれに大きなギャップを持ったままです。
それで、アメリカやカナダ、そして中国も、「日本は何をしているのか?」といい、国際的に通用する基準に従わないなら「安心して貿易できない」とクレームを付けています。
今後「有機農産物」の貿易が増えることが予想され、貿易上のトラブル発生の可能性があり、WTOやCODEXが「有機農産物」の国際的な基準作りと、そのラベリングの問題を検討しています。
例えば、WTOの「WTO COMMITTEE ON TRADE AND THE ENVIRONMENT INVITES MEA SECRETARIATS, TO INFORMATION SESSION, AND DISCUSSES ITEMS RELATED TO THE LINKAGES BETWEEN THE MULTILATERAL ENVIRONMENT AND TRADE AGENDASWTO」では
| 食物名 | 穀物 | 小麦 | 粗粒穀物 | いも類・でんぷん | 砂糖類 | 大豆 | 野菜類 | 肉類 | 油脂類 |
| 単位% | 30 | 7 | 1 | 87 | 35 | 5 | 85 | 57 | 15 |
日本は、穀類や野菜など農産物は、40%の自給率しかありません。大まかに言うと穀類の多くをアメリカやカナダから輸入し、中国から野菜の足りない分(85%の自給率1995)の30%以上を輸入しています。
その中国は、アメリカの有機農産物認証機関・OCIAの認証基準を参考にして、95年に「オーガニック生産法」を実施しました。
日本の潜在的な有機農産物のニーズに注目して、アメリカやカナダや中国が、すでに動き始めているようです。