化学物質過敏症その2

健康・スクラップブック


化学物質過敏症 その2

 化学物質過敏症には、いくつかの療法が確立されているようです。
 ダラス環境健康センター(Environment Health Center Dalas)は、化学物質過敏症や多発性化学物質過敏症、そしてシックハウス症候群などの分野で、先進的な施設を持つ世界でも数少ない病院の一つです。
 そのホームページによると、大気汚染、食物、そして水からもたらされた化学物質による健康被害について、1974年から診断と治療を行ってきました。
 現在では、ほとんどのケースで因果関係を定義できるようになったそうです。
 また、その症状改善には、 などの療法が多くの患者を非汚染的な作法とともに健康へと導きました。

 多くの日本人は、化学物質過敏症やシックハウス症候群が日本で診断も治療もできないからといって、気軽にダラス大学病院まで通院することができないでしょう。
 そこで、これらの治療法の中から、自分に合いそうなものを探して試みるのも一つの方法かもしれません。

 たとえば、特定の(それと決めた)化学物質の摂取をできるだけ避けることや、栄養をバランスよく十分にとったり、温泉に入ったり、運動をして新陳代謝をよくするなど、すぐにでも始められそうなものもあります。

 具体的な治療の様式としてあげられているのは、
 化学物質からの離脱(中和)期間を経て(これが技術的に難しいとのことですが)、

  1. 一般的及び外科的診療
  2. 空気中や食物、そして水に含まれる汚染(化学)物質を避ける
  3. カビ、食物、そして水の生物学的注射減感作療法
  4. 栄養療法回転食メニュー(rotary diet)---日本では東京医大方式が知られています
    マクロバイオテック食品(macrobiotic diets)(長寿食)---伝統的な日本食こそマクロバイオテック食品ともいわれています
  5. 経口ビタミン剤、ミネラル、アミノ酸、脂質の摂取
  6. 非経口栄養療法(parenteral nutrition)カロリーやその他の特定の栄養素に欠乏があれば、これを補う
  7. 温熱療法(heat depuration)とフィジカルセラピー(物理療法)
  8. ワクチン療法
  9. 外科的治療(surgery)
  10. ホメオパシー(homeopathy)
  11. 針治療(acupuncture)
  12. 光学的療法(optical manipulation)
  13. 心理学的カウンセリング(psychological counseling)
  14. 酸素療法(oxygen therapy)
  15. 骨障害の治療(osteopathic manipulation)

 また、化学物質過敏症にかからないために、普段から注意すべきことは、飲み水を選び、防腐剤や防虫剤を使わず、食物を無農薬の「除去食物」に替えるなど、参考になるチェック項目が上げられています。

 これらの療法について、もう少し詳しいデータがないかと、インターネットで探していると、「アトランタ環境健康予防センター(Environmental and Preventive Health Center of Atlanta )」から、ショッキングな記事が見つかりました。
 それは、昨日(5.29.1998)NHKスペシャルが特集していた「もっと僕を知ってほしい(注意力欠如・多動の子供達)」で報告された子供達の問題行動とその障害についてです。
 それは「Attention Deficit HyperActivity Disorder(多動性注意力欠如障害)と呼ばれ、アメリカでは150万人の子供がこの障害に苦しんでいます。症状は、泣き叫んだり、怒りっぽかったり、喧嘩腰だったり、落ち着きがなかったりで、集団行動に対応することができず、学校での学習やコミュニケーションがうまくいかないというものです。
 その内の多くの子供は、知的なレベルは高いが、脳が各組織に指令を出す時に用いられる化学伝達物質と、組織の受容体との交信に何らかの異常があると考えられています。
 そして、親や教師に反抗的な態度を示すので、それが病気の症状なのだと知れるまでは、「行儀よくしなさい」とか「あなたは嫌いよ」など脅迫的なコントロールを試みるために、子供との関係性がより悪くなることがあるということです。

 この障害の原因は、まだ因果関係が突き止められていませんが、遺伝的な異常、出産時の障害、免疫系の異常、情緒的な問題、生体化学物質の阻害、公害、酵素の障害、ストレス、感染症の既往などによるということです。
 しかし、そのなかでも胎児期に化学物質に暴露されたことがあるのではないかと、この記事では推論しています。
 というのは、これまでの実験や観察によれば、多くの例で多動的(HyperActivity)な子供の症状が、非寛容の食物や化学物質、食品添加物、染料(着色料)、花粉やカビの摂取や吸入を避けることで、はっきりと改善が見られたということです。

 多動性注意力欠如障害の治療法は、多くの点で化学物質過敏症のそれと重複しており、化学物質の脅威ということで、何かいわく言い難い恐ろしさを感じます。

 次回は、Attention Deficit HyperActivity Disorder(ADHD)についてもう少し詳しく調べ、リポート致します。


キーワード:
chemical sensitivity(化学物質過敏症) からだに有害な化学物質が、たとえごく微量であっても、それに繰り返し触れることによって引き起こされてくる体の異常。例えば、100万分の1(ppm)、1兆分の1(ppt)グラム程度のレベルの食品中の食品添加物や、農薬、大気や水の汚染物質など。
multiple chemical sensitivity(多発性化学物質過敏症)  特定の化学物質に繰り返し接触しているうちに、次第に体質が過敏になり、それまではなんともなかったほかの化学物質に対しても、体が異常反応を示すようになること。
酸素療法(oxygen therapy) 酸素投与。組織レベルの酸素が低下しているのを補償すべく吸入気に酸素を加える。この場合は、ドイツのVan Ardenne博士が化学物質過敏症の治療のために開発した。これらは脳機能障害や、動脈硬化症にも適用される。
ワクチン療法( therapy) 能動免疫によって病気を治療する。この場合は、自家免疫や非免疫調節動質、バクテリアや真菌ワクチン。
温熱療法(thermotherapy therapy) この場合は、低温サウナ療法やマッサージ、エクササイズ、そして物理療法を組み合わせて行う。

関連URL:
Environmental Health Center-Dallasダラス環境健康センター・環境医学で最も有名な先生 ウイリアム・レイ博士の主催による
Environmental and Preventive Health Center of Atlanta Stephen B. Edelson, M.D.による
参考資料:
「あなたも化学物質過敏症?」(暮らしにひそむ環境汚染)北里大学教授 石川哲先生・宮田幹夫先生(農文協)
Japan Medical Terminology 日本医学会医学用辞典 南山堂

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