河川・土壌の濃度も測定
ダイオキシンは微量でも極めて毒性が強く、体重五〇kgの大人が一日二百五十五ピコ(一ピコは一兆分の一)グラム以上を摂取すると、がんの発病や奇形児が生まれる危険が高まることが分かっている。厚生省推計では、人体に取り込まれるダイオキシンは魚介類や乳製品、肉類など食物経由が九七%を占め、呼吸により大気から直接吸収する割合は三%以下と低い。
環境庁は今夏から大気汚染防止法に基づき、ごみ焼却場などからのダイオキシン排出を規制することを決めているが、ダイオキシン摂取を減らすには水や土壌中の濃度の把握や魚介類などに蓄積される経路の解明が不可欠と判断。大気だけでなく河川や湖沼、土壌を合めた監視網を本格的に整備する方針を決めた。
大気中のダイオキシン濃度の測定はこれまで全国二十一カ所で二年に一度調べてきたが、今後は毎年実施し、九八年度中に調査地点を二倍以上に増やす計画。土壌や水についても全国の自治体の協力を得て汚染マツプを作成、データは一般に公開する方針。
また一般のごみ焼却場や産業廃棄物焼却所など発生源ごとにダイオキシン発生量を示した「台帳」を作成をし、大気から土壌、河川へダイオキシンが移動する経路の解明を目指す。
母乳の汚染や乳児への影響も懸念されているが、摂取経路がよく分からないことが不安を強める一因。環境庁は「科学的なデータの収集が急務」としている。
5.31.1997 日本経済新聞日刊