エフェドリンを含むサプリメントの危険性
エフェドリンを含むサプリメントの危険性
いわゆるダイエット薬の副作用
2000年11月6日、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)は、「Adverse Cardiovascular and Central Nervous System Events Associated with Dietary Supplements Containing Ephedra Alkaloids」(エフェドラ・アルカロイドを含むダイエタリーサプリメントが関連する循環器系および中枢神経組織への不具合)で、エフェドリン(麻黄と呼ばれることもある)を含むサプリメント(supplements)について緊急的にリポートをしています。このリポートは概略であり、正式版は、2000.12.21にでるそうです。
また、FDAの「FDA ANNOUNCES THE AVAILABILITY OF NEW EPHEDRINE AND "STREET DRUG ALTERNATIVE" DOCUMENTS」によれば、1997.6〜1999.3.31の間に、140件も健康被害の報告があったということです。
健康被害の内容は、- 高血圧
- 動悸・息切れ
- 心臓などの発作
- 脳卒中 などで、しばしば循環器系の不具合と中枢神経組織の不具合が起こるようです。
140の内、10のケースで死亡にいたり、13のケースで永続的な障害を持つことになったそうです。
このNEJMリポートの主題は、そのようなサプリメントを服用すると、どの程度の服用量や継続期間で、どんな副作用が出たか、そのタイミングや深刻さなどを分析することで、エフェドリンを含むサプリメント(しばしばカフェインも含む)が持つ潜在的なリスクを判断しようというものです。
日本での流通はあるの?
エフェドリンを含むダイエット食品は、Diet Fuel,Ripped Fuel,Metabolife 356,Shape-Fat Plus,Diet Phen,Magic Herb,Per-Form Dieter's Natural Tea,Ultimate orangeなどの名称で、実質的なダイエット対策用の薬として、アメリカ国内をはじめとして日本でも、通信販売やインターネットを通じて、簡単に手に入れることができます。
これらは、エフェドリンの性質を利用し、代謝を促進したり、発汗させて体重を落としたり、中枢神経を興奮させて食欲を抑制させるなどの効果があるのだそうです。
その薬のいくつかには、ma huangという名前で、東洋でも馴染みが深い麻黄(まおう)という漢方生薬が含まれているので、ナチュラルで副作用もないような感じで売られていますが、服用量が多かったり、漫然と続けて使うと大変リスクのある薬ということです。
また、このエフェドリン(麻黄)は、市販の風邪薬に含まれており、このダイエット食品と同時に服用すると、作用が増強されることがあるそうです。
どの程度、危険なの?
「Federal Register Vol.65」(4.3.2000)によれば、FDAは、1997年6月4日に、Proposed Ruleとしてエフェドリンを含むダイエタリーサプリメントを販売する際に、ラベルに次のことを書くように指導してきました。
- サービングサイズ(一回量)は8mg以下
- 服用から服用の間は、少なくとも6時間以上開ける
- 総量は一日24mg以下に
- 7日間以上継続して服用してはならない
健康被害の一例
前出の、NEJMの記事には、いくつかのシビアーな脳血管系の副作用や心臓血管系の副作用の例が掲載されています。
「35歳の健康な女性が、ここ数年平穏にエアロビック教室に通っていたが、エフェドリン15mgとカフェインが40mg含まれたダイエット薬 Shape-Fast Plusを体重減量のために一日に3回食事前に1カプセルづつ服用しはじめた。彼女は、どこといって身体が悪いということはなかった(通院歴はなかった)。そのダイエット薬を飲みはじめてちょうど1週間後、彼女はエアロビック・エクササイズの最中に卒倒した。居合わせた人によると、彼女の腕や足は、曲げたり突っ張ったりしたということだ。救急病院に運ばれたとき、血圧は111/38、心拍数は1分間に104だった。CTスキャンの所見では脳はsubarachnoid hemorrhage(くも膜下出血)を呈していた。Cerebral angiographyの画像では、動脈瘤の徴候は見られなかった。尿の検査で、アンフェタミンが陽性と出たが、この物質はエフェドリンの代謝物として知られる。Neurogenic pulmonary edema(肺浮腫)が急速に進行し、緊急的に気管の確保と、人工呼吸が必要になった。心電図とcardiac-enzyme levelsは、小さな多発性梗塞が発生したことをうかがわせた。治療にあたった循環器専門医と神経科専門医は、エフェドリンがsubarachnoid hemorrhage(くも膜下出血)を誘発したものと考えた」
エフェドリンの服用は、それぞれ人によって感受性は違うものの、ダイエット食品のように大量に継続して摂取されると、それだけリスクが大きくなるということでしょう。
つまり、エフェドリンは梗塞や脳出血、シビアーな高血圧、不整脈などの血管系の不具合にかかりやすくすると言えそうです。ことに、多くのダイエット薬に含まれているようなカフェインや塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)を併用すると、このリスクはさらに高くなるとされます。
関連URL:
Adverse Cardiovascular and Central Nervous System Events Associated with Dietary Supplements Containing Ephedra Alkaloids NEJM
FDA ANNOUNCES THE AVAILABILITY OF NEW EPHEDRINE AND "STREET DRUG ALTERNATIVE" DOCUMENTS FDA
Federal Register Vol.65(PDF) FDA
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