erectile dysfunction(勃起障害)

健康・スクラップブック

勃起障害(erectile dysfunction)
 勃起障害(erectile dysfunction)は、想像以上に多くの人が抱える問題です。
 アメリカにおいては、10人に1人の男性、または、軽度の障害を含めると2000万人以上がその悩みに悩んでいるともいわれます。
 そして、勃起障害は、そうであるかもしれないことを人に知らせたくないし、はじめから解決できない問題と思い込むことがあるので、(日本では)ほとんどの人は解決法を見いだせないでいるようです。たしかに、医師でさえそれが心理的な要因で起きるものと考えていました。

 しかし、最近になって勃起障害のうちの50〜70%は、身体的な問題が原因だろうとされ、何らかの方法を用いることで、95%の勃起障害は、治療することができるかもしれないということです。
 医学雑誌のインターネット版 New England Jornal of Medicineの「Injection Therapy for Erectile Dysfunction」(勃起障害のための吸入療法)によると、1970〜1980年代では、移植療法しか方法がなかったが、ここ10数年で有益な方法が紹介された。それは、真空吸引装置を用いる方法(the vacuum erection device)とセックスの前にペニスへ血管拡張剤とよばれる薬剤(alprostadil=a synthetic prostaglandin E1)を注射する方法(intracavernous-injection therapy)。この二つの方法は、泌尿器科医の治療法にドラマチックな変革をもたらしたが、ともにペニスに対する血液の循環を多くし、勃起を起こし、それを維持させやすくする。ことに後者は、この分野で主流であった半固形の装置をペニスに埋め込む方法を後退させるほど、多くの泌尿器科の医師が採用した、ということです。(1996年のリポート)
 そして、今年5月(98.5)に米国で治療薬のバイアグラ(Viagra)が発売されて、もうすでに米国だけで300万人をこえる患者に処方された(98.8)というので、勃起障害の治療がより身近になった感じがします。

勃起障害が起こる原因

糖尿病と勃起障害
 糖尿病の神経障害は、NIDDKの糖尿病の患者情報によると、まだはっきりと解明されていないが、研究者は「低濃度のNOが、神経を養っている血管の収縮をもたらし、神経障害をひき起こす可能性があることに注目している」ということです。
糖尿病と性との問題で、データや解説は「糖尿病の人の性(糖尿病NET)」が最もよいものの一つです。これには、「健康な人とほとんど変わらない生活も可能なのに、年齢の割に早く機能的な障害があらわれる、糖尿病の人の“性”が注目されている」とされ、可能である限り「生活の質を上げる(Quality of Life)」ために、性の問題を軽視すべきでないと書かれています。

勃起障害の療法

  1. いま話題のバイアグラ(Viagra)などの薬物療法
  2. プロスタグランディンE1を注射する方法
  3. 内分泌の病気が原因ならばホルモン投与など
  4. 血管に異常がある場合は、静脈結紮(けっさつ)手術、動脈の接合やバイパス手術
  5. 補助具の使用(陰圧式陰茎勃起補助具最近、アメリカの「ベトコ社の製品」が厚生大臣の認可をうける
  6. 半固形の装置をペニスに埋め込む方法
  7. セックスセラピー(心理療法)カップルを対象とする
 医師は、患者と相談して症状にあった療法を選ぶようですが、その前にいくつかの検査が必要らしいです。
 検査法は、前出の「糖尿病の人の性(糖尿病NET)」で参照できます。

 勃起障害が、器質的障害か機能的障害かを見極めたり、薬(血管拡張剤)が効くかどうかをテストします。この程度の検査であれば保険が適用さます。

 糖尿病の性の治療法は、プロスタグランディンE1の注射や真空吸引装置、そして心理療法が半々くらいと言うことです。
 そして、プロスタグランディンE1の臨床テストは、「Treatment of Men with Erectile Dysfunction with Transurethral Alprostadil」(NEJM-- January 2, 1997 -- Volume 336, Number 1 )によると、27歳から88歳の慢性的な勃起障害の患者1511人に、二重盲検法とプラシーボを用いたテストが行われました。65.9%の人が性交に成功しました。平均では、10回のうち7回のプロスタグランディンの尿道経由の注射が、年令や障害の原因(血管障害や糖尿病、そして外科手術や精神的外傷を含む)にかかわらず、成功したということです。
 また、副作用として、10.8%の人にそうひどくはないが性交後ペニスに痛みが起こったこと、そして3.3%の人に低血圧が起こったことです。

 バイアグラは、日本ではまだ正規に処方されません。でもインターネットで手に入るので、これからは選択肢の一つになることは間違いありません。
 それで、例えば糖尿病で「目の障害が出て」いたり、狭心症を合併していてニトログリセリンなど硝酸剤を処方されている場合は、重篤な副作用が起こることがあるので注意が必要です。また、心臓疾患や低血圧症が疑われる場合もリスクが大きくなるという事です。必ず医師と相談しましょう。

 勃起障害は、特殊な治療法を除いてそう高くはないそうですが、その投薬や治療に保険が適用されていません。全額自己負担となっています。


関連URL:
Editorials -- NEJM 1996; 334: 913-914 -- April 4, 1996 
Erectile DysfunctionNIDDK NIH(アメリカ衛生研究所)
糖尿病の人の性 糖尿病ネットワーク
Original Articles -- NEJM 1997; 336: 1-7 -- January 2, 1997 

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