一般的に言って、「糖尿病で失明することがある」ことを知っている人は少ないと思います。3つの失明への経路が言われています。
下の記事は、8月25日付け東京新聞の大変詳しいレポートなので、参照をおすすめします。
糖尿病の推定患者数は六百万人。網膜症は発病後の年数とともに増え、十年すぎには半数、二十五年後には八割に達する(グラフ参照)。「気付かないうちに進行するため、内科の治療と合わせて眼科の定期チェツクも受けてほしい」と堀教授。同医大では、糖尿病センター内に眼科を設け、カルテも内科と共通で経過を見る体制だ。
しかし、専門医による治療を受けているのは糖尿病患者の三分の一。掛かり付け医が眼科受診を勧めなかったり、本人が「忙しい」と後回しにしたり。「眼科に来たときはすでに手遅れの人も少なくない」と堀教授は残念がる。
糖尿病網膜症は、血糖値が高い状態が続くことで起こる。粘り気のある血液が毛細血管を詰まらせ、網膜に行く酸素や栄養が不足、眼底出血や網膜剥離(はくり)、失明へと行き着く。
網膜症の予防は血糖コントロールにつきる。最近は、二カ月間の平均血糖値が分かる検査「ヘモグロビンA1C」が普及。数値を7%以下(正常値は5.5%)に保てば、網膜症は出にくいとされる。糖尿病は生活習慣病といわれるように、食事、運動、肥満に注意が必要で、血糖コントロールがうまくいけば、眼底出血が止まることもある。
目の検診の回数について、堀教授は次の目安を示す。@眼底に変化が見られない状態では年一回A軽い出血などがある単純網膜症の段階では半年に1回Bさらに症状が進むようなら三−四カ月に一回C異常な血管が枝分かれして伸び始める前増殖網膜症では二−三カ月に一回D新生血管が出てきたり、切れて出血するなど、増殖網膜症が見つかれぱ、月一−二回。CDの段階では、レーザーによる「光凝固療法」や、濁った硝子体を切除する「硝子体手術」が必要になる。「蛍光剤を注入する眼底造影で前増殖網膜症を早めにとらえ、治療で食い止めることも可能。硝子体手術は視力自体を元どおりにすることはできない。発病二十五年後でも二割は網膜症にならずにすむことに希望をもち、血糖コントロールをしてほしい」
失明予防では、目の成人病と呼ばれる緑内障を見逃してはならない。成人病の定期健康などで、視力と合わせて、眼圧、眼底検査も受けることが望ましいが、普及はまだまだだ。最近は、瞳孔(どうこう)を開く点眼薬を使わずに撮れる「無散瞳眼底カメラ」や自動眼圧計が普及、その写真や検査数値を眼科医が見てスクリーニング(適格)検査に役立てる方法もある。
厚生省では、十一月に初の糖尿病実態調査(対象は一万五千人)を実施する。ただし、目に関しては重症度などの調査は含まれない。眼科医からは、目に関する全国調査を求める声が聞かれ、堀教授は「国民の何パーセントが失明の危機に直面しているかなど、説得力のある数値で、目のチェツクを受けるように勧めたい」と、強調する。
☆ライオンズクラブでは、「視力ファースト」キャンペーンの一環として、パンフレツト「あなたの目、健康ですか?」、ビデオのほか、フリーダイヤル(0120・288915)インターネツトで情報提供を行っている。
8.25.1997 東京新聞日刊