遺伝子組換えトマト
健康・スクラップブック
遺伝子組換え食品について議論されていること
遺伝子組換え食品とラベル
遺伝子組換え作物は、1994年5月にはじめてアメリカでFLAVR SAVRTMトマトの安全性が確認されて以来、次々と新しい製品が開発され、世界中で脚光を浴びています。ちなみに遺伝子組換えトマトは、カナダでは1995年2月に、メキシコでは1995年3月に、イギリスでは1996年2月にそれぞれ食品としての安全性が確認され、販売されています。
そして今年10月22日、ついに日本でも厚生省の食品衛生調査会が安全性を確認し、事実上輸入と販売が可能となりました。ただし、日本ではしばらくの間(消費者とのコンセンサスができるまでは、加工されたものだけで)Whole foodとしては販売されないかもしれません。
バイオテクノロジー応用食品の安全性評価については、1996年9月30日より10月4日までローマにおいて「バイオテクノロジ一と食品の安全性に関するFAO/WHO合同専門家会議」が開催され、次のようなl990年の第1回合同専門家会議の一般的勧告を再確認し、国際的な指針が示されています。
- 消費者の健康を守るためには,包括的で強力な食品規制が必要である。各国政府はそのような規制を,世界の技術発展の歩調に合わせるベきである。
- 各国の規制当局は,バイオテクノロジーで作られた食品の安全性評価には,この報告書で述べられた戦略を適用すべきである。
- バイオテクノロジーでつくられた食品の評価に役だてるため,次の項目についてのデータベースを設立すべきである。
- 食品の栄養素ならびに毒性成分含量に関する情報
- 食品生産に用いられる生物の分子レベルにおける分析結果に関する情報
- 食品生産への応用を意図した遺伝的改変生物の分子生物学的,栄養学的ならびに毒性成分に関する情報
- 消費者には,食品の生産および加工におけるパイオテクノロジー応用に関する科学的基盤に立った情報,ならびに安全性に関わる情報が適正に準備されるべきである。
- FAOとWHOは,他の国際機関と協力して,パイオテクノロジーで作られた食品の安全性評価について各国政府が協調した手段をとることができるように,主導的立場をとるべきである。
- FAOとWHOは,食品の安全性評価に対するパイオテクノロジーの影響についての適時な専門的助言が,国際食品規格委員会,FAO/WHO合同食品添加物専門家会議,FAO/WHO合同残留農薬会議などの各構成国に対し与えられるようにしなければならない。
- FAOとWHOは,科学的ならびに技術的進歩の光に照らして,この会議の勧告の妥当性を精査するための専門家会議を,適当な時期に開くべきである。
「食品衛生研究」Food Sanitation Research 1997 2月号から ---FAO/WHO合同専門家会議報告----厚生省生活衛生局食品保健課 池田千絵子氏の訳文を抜粋して掲載させていただきました
各国の政府機関は、上の指針にもとづき遺伝子組換え作物についてポリシーを立て、国により期待感などの温度差はあるものの、共同歩調をとっているかのように見えます。
一方、消費者の方は、遺伝子工学が医学や薬学の分野で大きな成果をあげていることや、遺伝子組換え作物が世界の食糧問題を解決する第一選択の技術であることに気付きながらも、食品として食べることにためらいを感じています。
そのなかでもっとも気掛かりであり、多くの国で議論されているのは、ラベルの問題です。
FDAは、少なくとも現時点(1996)では、遺伝子組換え作物と他の手順で開発された品種とを、情報面(ラベルも含む)ではっきりと区別する必要を認めていません。ことに、「これは遺伝子組換えにより作られた」などと、ことさらに暴き立てるようなラベルへの表記を義務づけないと言っています。
ただし、次のような3つの例については、ラベルへの記載が必要かもしれないと考えています。
- 遺伝子操作により新たに作られた甘味料
- 見た目と名前が常識的に見て明らかに違いがある場合(例えば外見はリンゴで、果肉が桃のような果物は「桃」と名乗ってよいものか?)
- 遺伝子組換えにより、消費者が予期できないようなタンパク質を含み、そのタンパク質がアレルゲンである場合(例えば、ダイズの一部の遺伝子にブラジルナッツの遺伝子を組換えたとき、ナッツ由来の遺伝子からタンパク質が作られ、これが激症性のアレルギーを引き起こすことがありました。このダイズは安全性評価の段階で申請が取り下げられています)
こうしたものについては、FDAは消費者保護の観点から、注意書きのようなものをラベルに書くことが必要だろうとしています。
ただし"FDA'S Policy for Foods Developed by Biotechnology"を見ると、遺伝子組換え食品とラベルの問題、ことにアレルギーに関しては今だに曖昧な表現にとどまっています。
例えばこういう部分、「ある新しい食品が一般に激症のアレルギー症状を起こすタンパク質を作り出すことがあるなら、FDAはラベルにその旨を書くべきかいなか検討を行うものとする」「アレルゲンのテストを十分するように、会社の研究機関などへ励むように言っている(encourage)」など。
しかし、アレルギーのマネージメントは、例えば食事制限療法などの場合、厳密にやらないと効果が求められません。また、激症性の場合ショック症状が起こり、生命の危険さえあります。
7.9.1997の河北新報は、東北の市町村で「遺伝子組換え食品」の表示を求める請願の採択が相次いでいると報道しました。同記事によると、厚生省には全国の地方議会から表示などを求める意見書が6月末現在で250件提出されているそうです。
日本でも、遺伝子組換え食品とラベルの問題が議論されています。
資料:河北新報 7.9.1997日刊
DNA農業 岡田吉美先生 共立出版株式会社
バイオ食品の安全性(FAO/WHOレポート)報告 「食品衛生研究」Food Sanitation Research 1997 2月号
関連URL:97/10/22 食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会報告 厚生労働省
FDA/CFSAN Biotechnology アメリカ食品医薬品疔
Food Biotechnology
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