非遺伝子組み換え大豆

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非遺伝子組み換え大豆

大豆製品とラベル
 ここのところ、大豆製品の中でも「豆腐」や「納豆」や「味噌」などのラベルを見ると、「国内産大豆使用」とか「遺伝子組み換え大豆は使っていません」とか「国内産大豆60%使用」というように、国内産大豆や遺伝子組み換え大豆であるかないかをアピールして売られています。
 納豆は、スーパーマーケットの安売りで買うと、このような強調表示の無い製品がワンパック3個98円で買えることがあります。一方、外国産だが「非遺伝子組み換え大豆を使用」や「国産大豆60%使用」が3個120円くらいとか、「国内産大豆100%使用」がワンパック2個150円前後というように、値段にばらつきがあります。
 感覚的にいうと、「国内産大豆の納豆」の方が2〜3割ほど高い感じです。
 ただし、ちょっと気を付けたいのは、例えば豆腐の業界では、50%国内産大豆を使った製品なら「国内産大豆使用」と言ってもいいことになっているので、パーセント表示の無いものについては、「国内産大豆使用」と表示されていても、「本当かな?」と疑りたくなります。

 農林水産省は、遺伝子組み換え技術を使った農作物や加工食品の表示について、「食品表示問題懇談会遺伝子組み換え食品部会」で検討してきました。そして、1999.8.10に最終報告をまとめたということです。
 これによると表示義務がつけられるのは、豆腐や納豆など30品目に限定され、2001年4月に表示が義務化されることになるようです。

日本の大豆の自給率
 農林水産省の「大豆の関係資料」によると、大豆の需要量は496万7000トン、そのうち国産でまかなわれるのが14万8000トンで(平成8年)、約3%の自給率です。ただ、これは食用油を含む値で、食品用に限っては約14%ということです。
 また、平成11年7月22日「大豆研究会報告」(農林水産省)によると、大豆の作付け面積は、昭和63年以降平成6年の6万1000ヘクタールまで極端に減りましたが、「米の生産調整面積の増大により平成7年産から増加に転じ、平成10年産では10万9千ヘクタールとなり」、やや盛りかえしたように見えます。
 また、生産量でいうと、平成6年産には9万9千トンだが、平成7年産以降増加し、平成10年産では15万8千トンになりました。
 ただし、大豆の作付け面積の内容を見ると、その73%は生産調整と関係がある田作であり、畑作は27%に過ぎないということです。
 つまり、大豆生産農家は、国内産大豆の需要の拡大により、順調に作付け面積を延ばしたというよりも、ここのところの米の豊作を受けて、生産調整により交付金を受けつつ渋々大豆を生産しているということのようです。

世界の大豆の生産量
 「米国農務省穀物等需給報告(99年7月12日発表)のポイント」(農林水産省海外情報室編)によると、全世界で、今年(1999年)の大豆の生産量は、1.2%増の1億5900万トン。消費量は1億5,620万トンでした。
 日本の最も大きい大豆の輸入国(約77%)、アメリカでは対前年比、6.5%増の7990万トンと史上最高を記録する見込みです。
それに伴い、期末在庫も多くなり、国際価格は、昨年度に引き続き緩和傾向で推移しそうです。つまり、輸入大豆は昨年よりもまだ安くなる見込みで、だいたい60kg当たり、平均で2700円台(CIF価格および輸入諸掛)(油脂用大豆も含む)となるようです。

 さらに、遺伝子組み換え大豆は、少ない生産費で多くの収量が期待できるので、大豆輸出国はこぞって生産をすすめています。アメリカでは、作付け面積からすると、すでに30%は遺伝子組み換え大豆であろうとされます。
 そして、日本にとって第二の大豆の輸入国であるブラジルは、5大大豆生産国の中で遺伝子組み換え大豆を生産していない唯一の国でしたが、98年に遺伝子組み換え大豆の安全性を評価し、(政府が)生産を許可した模様です。
 というのは、「ブラジルの主要輸出産物である大豆及び同製品の輸出競争国アルゼンチンでは、生産性が高い遺伝子組み換え大豆の栽培面積が1997年の180万ヘクタールから本年には400万ヘクタールと222%も拡大していることから、ブラジルの大豆農家は同国との大豆輸出競争に敗退するのではないかと危機感を強めている」ためのようです。
 つまり、大豆輸出国の農家は、厳しい国際競争にさらされているため、生き残りをかけて遺伝子組み換え大豆の生産を選びつつあるということでしょう。

国内産大豆の需要拡大
 一方日本では、非遺伝子組み換え大豆の需要の高まりや、ここ数年間の米の豊作を受けて、平成10年度から「水田麦・大豆・飼料作物の生産振興緊急対策」が実施されています。この対策は、「水田を活用して麦・大豆・飼料作物の生産に意欲的に取り組む農業者を支援するため、農業者・営農集団に対して助成を行うもの」と農林水産省は説明しています。
 法律としては、「大豆なたね交付金暫定措置法」が適用され、不足払い制度が実施されています。
 「平成10年版 農業白書」(農林統計協会)436ページによると、平成9年度で60kg当たり基準価格が14160円、そのうち交付金が7480円でした。輸入大豆と比べると、約5倍の値段です。
 言い換えると、大豆の自給率のアップは、半ば米の生産過剰に支えられ、生産調整(減反)を目的とする財政からの膨大な支出の上に成り立ってるといえそうです。そして、輸入大豆は、遺伝子組み換えの導入により生産効率が上がり、日本の大豆生産農家に対して大きなプレッシャーを与えることになるかもしれません。


用語解説:
IOM大豆 インディアナ・オハイオ・ミシガンの3州で生産される大豆を通称こう呼ぶ。他州に比較して若干たんぱく質の含有率が高く、豆腐・油揚げ用に利用されている。

関連URL:
遺伝子組換え食品部会における技術的検討のための小委員会報告 農林水産省
大豆関係資料 農林水産省
米国農務省穀物等需給報告(99年7月12日発表)のポイント 農林水産省
大豆なたね交付金暫定措置法 法庫
大豆研究 農林水産省
大豆研究報告 農林水産省
四国生産調整 PDF書類

参考資料:
平成10年版 農業白書 農林統計協会
日本農業年鑑 家の光協会
総説輸入食品事典 輸入食品事典研究会

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