遺伝子組換えに作物とラベルその3

健康・スクラップブック

 「遺伝子組み換え食品は、すでに私たちの食卓に並んでいます」といっても、ほとんどの人はピンとこないと思います。
 たとえば、大豆は5%の自給率で、足りない分の40%をアメリカから輸入しています(1995農林水産省「食糧需給表」より)。そのアメリカは、遺伝子組み換え作物を積極的に展開しているので、予想を超えたスピードで浸透しているのだそうです。
 どのくらいの割合で遺伝子組み換え大豆が混ざっている可能性があるかという質問に、『農水省は「米国などでは流通、保管の過程で混ぜてしまうので、二○%までの可能性はあるとの見解」』(東京新聞8.2.1998)です。これは、作付け面積から計算されたものと思われます。

 「何で混ぜるかな?」という疑問を持ちますが、「アメリカの遺伝子組み換え作物に対する頑固な対応」が浮きぼりになるだけで、それ以外の理由は見つかりません。

農産物の主な生産国(1995)
穀物国名比率(%)
大豆アメリカ46.5
ブラジル20.3
中国10.7
アルゼンチン9.6
とうもろこしアメリカ36.4
中国21.8
ブラジル7.1
メキシコ7.1
(FAO 生産年鑑)

 こういう例が適当かどうか知りませんが、「コシヒカリ」と「秋田小町」は米に変わりがなく、一方が売れなくなったら困るので、これからは混ぜて売ることにします、と言い張っているようにも思えます。

 しかし、遺伝子組み換え作物そのものや、これを原料にした加工品にラベルなどで情報を明示してほしいというのが、輸入国における一般的な反応です。
 MAFFの7.29.1998のUK News release「GENETICALLY MODIFIED SOYA AND MAIZE-NEW UK LABELLING RULES PROPOSED」によると、今年(1998)9月1日からできるだけ(possible)生の遺伝子組み換え作物("live"GMOs)や輸入品も含むその派生物全て(弁当屋やレストランも)にラベルをつけるような法的な規制基準(EC--EUROPEAN COMMISSION-- Reguration 1139/98)が施行されます。これは、EU(The European Union)の「Labelling of genetically modified organisms」というリポートに、general guidline(一般的指針)からRegulation(法的規制)に至るまでの過程などが記されています。

 ヨーロッパの対応は、この新しい技術に対して、日本に比べ慎重です。

 一方、日本では、大豆、トウモロコシ、ナタネ、ジャガイモ、ワタ、トマトの六作物二十品種が、厚生省により安全性が確認され、輸入されていると思われます。品種などについては、厚生省のホームページ『「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に適合していることの確認を行うことの可否に関する食品衛生調査会の諮問について』に掲載されています。

 また、私たちが最も関心を持っている「遺伝子組み換え作物とラベル」の問題は、

 議論の焦点は、三つあると思われます。
  1. may contain(含まれる) という時の対象は?
    1. 遺伝子組み換え作物がはっきりと原料として使われている
    2. 組み換えた遺伝子由来のタンパク質が入っている
    3. 組み換えたDNAやマーカーが残っている
  2. ラベルで知らせるといって、遺伝子組み換え作物由来の原料が使われているかどうか確かめる方法があるか(ペナルティーをかける客観的な証拠)
  3. 消費者にそこまで知らせる必要があるか「消費者の知る権利」などといって、その法的根拠は?

 「遺伝子組み換え作物の作付け面積」の推移など分からないことが多いので、調べたいと思います。


関連URL:
FAO 国連食糧農業機関(データベースあり)
GENETICALLY MODIFIED SOYA AND MAIZE-NEW UK LABELLING RULES PROPOSED MAFF(イギリス農漁食糧省)
ENV Press- Labelling of GMOs EU
組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針 厚生労働省
食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会報告 厚生労働省
河野太郎衆議院議員のホームページ 遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員会報告
第9回食品表示問題懇談会遺伝子組換え食品部会 農林水産省

参考資料:
世界国勢図会 97/98
東京新聞日刊 8.2.1998
世界と日本の貿易 日本貿易振興会

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