牛海綿状脳症(BSE)

健康・スクラップブック

牛海綿状脳症(BSE)

牛海綿状脳症(BSE)
 イギリスのDEFRA(Department of Environment,Food & Rural Affairs)のBSE(Bovine Spongiform Encephalopathy) informationホームページによると、牛海綿状脳症(BSE)、いわゆる狂牛病(Mad Cow Disease)が世界で初めて診断されたのは、イギリスの中央畜産研究所で、1986年11月ということです。2頭の牛が、イギリス本土の2つの異なった地域の飼養農場で、同様な行動異常や運動失調などの神経症状を呈(てい)していたということです。
 その後、イギリスでは1993年前後をピークに流行し、新たに牛海綿状脳症と疑われる牛は、毎週1000頭にまでになったということです。
 現在、沈静に向かっているものの、新たに牛海綿状脳症と疑われる牛が週に30頭くらい発見されています。結局、2000年12月までに、イギリス国内だけで、累積180,376頭の牛の感染が報告され、被害は35000の農場に及びました。

 そして、アイルランド(149)、ポルトガル(163)、スイス(33)、フランス(161)、ベルギー(9)など多数のヨーロッパ周辺地域に飛び火しているということです注意 括弧内は2000年度新規感染頭数)。この感染地域と感染数の詳細は、アメリカCDC(アメリカ疾病予防センター)の「Bovine Spongiform Encephalopathy and Variant Creutzfeldt-JakobDisease: Background, Evolution, and Current Concerns」(牛海綿状脳症と新種のクロイツェフェルトヤコブ病:バックグランド、進展と目下の関連)で参照することができます。 または、2001年の最新データは、OIE(Office International Des Epizooties)の Number of reported cases of bovine spongiform encephalopathy (BSE) worldwideのページで確かめることができます。このデータによると、2001年に入って、ドイツ(95)とイタリア(26)とスペイン(60)に感染拡大の徴候が見て取れます注意 括弧内は2001年度新規感染頭数)

牛海綿状脳症の感染ルート
 牛海綿状脳症の感染は、今のところ空気感染とか接触感染はないとされているので、汚染された生牛の移入や汚染された飼料の流通が経路だと考えらているようです。つまり、牛海綿状脳症が各国で発生したのは、イギリスからBSEに汚染された反すう動物や反すう動物の生産物(飼料を含む)を輸入したことが主な原因とされます。
 なぜ飼料が汚染されたかというと、牛の飼料には、MBM(meat and bone meal)と呼ばれる栄養補助食品(nutritional supplement)が含まれているものがあります。
 それらは、獣皮、内臓、血、骨、そして脳を原料に加工され、ゼラチンや牛脂や食品用タンパク質、サプリメント、医薬品、化粧品、そして飼料用の補助栄養などが作られるのだそうです。
 BSEは、脳やリンパ節や脊髄などに集中し、熱せられても(簡単には)死滅しないので、人間の食生活や動物の飼料連鎖、そして医薬品の中に生き続けるかもしれないということです。(1996年4月から、イギリスなどでは、牛は以前と同様な手順で解体され、処理されるそうです。しかし、MBMは飼料として使うことが禁じられ、政府が買い上げ、危険物質として、最終的に焼却処分されるまで厳しい管理下におかれ、保管されています。この措置は、牛肉の供給システムを守りつつ、飼養農家や処理業者に負担がかからないような方法で、感染防止を徹底させるためのようです)

日本で牛海綿状脳症の乳牛が発見される
 牛海綿状脳症の潜伏期間は、2年〜8年で、平均5年とされるので、2001年9月に牛海綿状脳症に感染した乳牛が千葉で発見されたということは、おそらく1990年代中ごろにイギリスから輸入された飼料が、日本に出回っていたことが推測されます。
 一体、どのくらいの量の汚染された飼料が、当時のイギリスから輸出されたのでしょうか?この危険物質(MBMを含む飼料)は、どのくらい日本に入り、どこの農場に配られてしまったのでしょうか。

 イギリスの検索エンジンアルタビスタ(http://uk.altavista.com/)を使って、feed and export and bseのキーワードで検索たところ、The BSE Inquiry(BSE調査所)という政府機関のホームページ、Exports of MBM and compound feed, gelatine, tallow and medicines MBM and compound feed(肉骨粉や混合飼料、ゼラチン、獣脂、そして医薬・医療品の輸出)のページにつながりました。
 これによると、1988年にイギリスで生産されたMBMは40万トンで、そのうちの4%の1万5000トン弱がEU地域を中心に輸出されました。
 主な輸出先は、ヨーロッパ地域ですが、その他にインドネシア、タイ、スリランカ。(日本も含まれていることは確実ですが、データはないようです)そしてそれらの国から再輸出された国々、例えば北部アフリカがありました。  MAFFのローレンス氏によると、解体処理業者は、1988年の「ruminant feed ban(反すう動物飼料規制)」を乗り切り、生き延びるために、MBMの輸出で損失を補填しようとしました。1988年、EUのメンバー国に対して、2.2millionポンドの輸出。また、1989年の四半期だけで輸出額は1.9millionポンドになりました。そして、非EU国に対しては、1996年まで、年間最大3万トンの輸出が続いたということです。
 その建て前の論理は、鶏や豚の飼料用ということでした。(2001.9.25追加)

 ところで、FDAの文書によると、2001.9.13、すでに韓国、台湾、シンガポール、フィリピンは日本からの牛肉やその生産品の輸入を禁止したということです。この決定は、自国内の飼養農家への牛海綿状脳症の拡散を食い止めようという措置と思われます。

牛海綿状脳症と新種のCJD
 WHOの「Report of a WHO Consultation on Medicinal and other Products in Relation to Human and Animal Transmissible Spongiform Encephalopathies」(人と動物の海綿状脳症に関する医薬品と他の生産品にかかるWHO協議会の報告書1997.3)の文書によると、特にヨーロッパにあって、牛やその生産品に対する消費者の信頼を決定的に失墜させたは、1996年3月にイギリスから10人の新種のクロイツェフェルトヤコブ病(nvCJD)にかかった人間のケースが報告されたことではないでしょうか。
 CJDは、ごく稀に起こる神経退行性の死にいたる病いで、患者は、早急に進行性の痴呆を患い、多様な神経症状と運動失調を起こし、約6〜12ヶ月で亡くなるのだそうです。
 CJDは、未だに治療法がなく、また保菌者の検出法も確立されていないので、イギリスにおいて、一体どれくらいの人が今後発症するのか、予測がつかないということです。

 前出のWHOの文書には、牛肉や牛乳、そして乳製品などのリスク評価が記されていいて、参考になると思います。この文書のANNEX1「CATEGORIES OF INFECTIVITY IN BOVINE TISSUES AND BODY FLUID」に詳しくリストアップされています。
 それによると、リスクが高いのは神経システムで、せき髄、大脳や小脳、眼、そして回腸遠位部。
 低いのは、私たちがよく食べる骨格筋の部分の肉や子宮、睾丸、腎臓、牛乳や乳製品はリスクが低く、ほぼ安心という結果が出ています。(「ほぼ」というのは、この実験がネズミに対して行われたに過ぎないからです)


関連URL:
BSE information イギリスDEFRA
Number of reported cases of BSE worldwide OIE(国際獣疫事務所)
Bovine Spongiform Encephalopathy and Variant Creutzfeldt-Jakob Disease:Background, Evolution, and Current Concerns CDC(アメリカ疾病予防センター)
Exports of MBM and compound feed, gelatine, tallow and medicines The BSE Inquiry
牛海綿状脳症(BSE)に係る肉骨粉について 農林水産省
Report of a WHO Consultation on Medicinal and other Products in... WHO

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