医療費を節約の対象に?
健康・スクラップブック
医療費を節約の対象に?
97年9月に医療保険制度が改正され、医療費の負担が約2〜3倍に増加しました。統計局統計センターの平成9年度家計調査報告によると、特に働き盛りの中高年や高齢者が医者へ行かなくなったことが分りました。その代わりに、薬局で薬を買う人が増えたということです。
そして、今年(1998年)4月1日から、診療報酬が引き上げられ、初診料が200円高くなり、この傾向はしばらく続きそう。つまり、相当に病態が悪くならなければ医者へ行かず、買い薬で我慢したり、一日に3回飲むように指示された薬を1回に減らして、病院へ通う回数を少なくするなどの行動が起きています。
医科診療代は、1997年9月に医療費が上がって以後、対前年同月実質増加率(物価の変動率などを差し引いたお金)でみると
- 9月-----(−)13.5%
- 10月----(−)11.3%
- 11月----(−)11.1%
- 12月----(−)10.7%
4か月連続して大幅な実質減少となっています。言い換えると、昨年と比べると病院へ行く人が大幅に減りました。
一方、医薬品代は、
- 9月-----(+)12.1%
- 10月----(+)15.0%
- 11月----(+)9.5%
- 12月----(+)3.8%
と4か月連続の実質増加。『「病院へ行くのを減らして、売薬で済ます」傾向が見て取れます。』(4.10.1998東京新聞日刊)
ところが、医療保険制度改正後の医科診療代(平成9年9〜12月期)の対前年同期名目増加率(実際に支払われたお金)をみると、世帯主が
- 30歳未満の世帯は----(−)0.6%
- 30〜39歳の世帯は----(+)1.3%
- 40〜49歳の世帯は----(+)14.9%
- 50〜59歳の世帯は----(+)23.1%
- 60歳以上の世帯は----(+)22.6%
の大幅な増加となって、実際に家計から医療費として支払われている金額は増えています。つまり、病院へ行かなくなった人が増えながら、実際に医療費全体は大きくなりました。
高齢者(無職)の世帯では、保健医療(医科診療代と医薬品代の合計)の消費支出に占める割合は、前年を0.4ポイント上回る4.8%となりました。
具体的な例でいうと、我が家の老人は、糖尿病で月1回T病院へ通院していますが、内科と眼科で外来の診療費を500円+500円、そして薬が4ケで1800円。合計3300円。97年8月までは一律1020円だったので、3倍増になった計算です。
大変危険と思われるのは、例えば高血圧の薬などは、勝手に飲む量を減らしたり止めたりすると、血圧のコントロールが難しくなり、重篤な合併症を起こすことがあります。また、糖尿病などでもそのまま放置しておくと、失明の危機にあったり、腎臓が悪くなるなどが心配され、かえって家計に占める医療コストを上げてしまうかもしれません。
用語解説:
診療報酬 健康保険から医療機関に支払う料金
度数分布表(統計資料での階級) 統計資料を階級に分け、各階級ごとの度数を表の形式で表したもの
可処分所得 所得のうち、税金・社会保険料などを除き、個人が自由に処分できる部分
関連URL:
平成9年度家計調査報告 統計局統計センター
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