流行の状況
ProMedの発信によると、マレーシアとシンガポールで、豚や馬にとって致命的な感染症が発生した。
Nipah(ニバ)ウイルス(ヘンドラ様ウイルス)は、マレーシアでこれまで3つの大きな集団で流行が確認された。
「Maraya大学医学微生物学科の教授はブタの選別により感染流行は現在コントロールされていると語っている」。
また、アメリカCDC「Outbreak of Hendra-Like Virus -- Malaysia and Singapore,1998-1999 」によると、マレーシアは、更なる流行防止のため、海外への豚の移送を禁止し、この禁止を徹底させるため国軍と警察を出動させた。そして、流行地域の周囲3マイル(5km)内の豚を検疫し、感染が心配される豚を選別後、と殺処分している。
一般的な旅行者に影響は少ないらしい
今のところ、患者は、養豚業者とその周辺の人に限られており、人-人感染も報告されていないので、一般的な旅行者が感染する心配はないということだ。
厚生省の成田空港検疫所のホームページは、「マレーシアへの一般観光客が訪れる地域で日本脳炎に感染する可能性は低く、マレーシアへの渡航者の予防接種の必要性は他のアジア諸国より高くはありません」と発表。
また、「今回発見されたヘンドラ様ウイルスに、日本人の一般旅行者が感染する可能性はきわめて低く心配ありません」ともいっている。
人畜共通感染症
ところで、Nipah(ニバ)ウイルスという名称は、日本生物科学研究所の東京大学名誉教授 山内一也先生「人畜共通感染症講座」によると、Dr.Chua Kaw Bingチュ ア・コー・ビンが、最初にウイルスを分離した場所、Kampung Baru Sungai Nipahバル・スンガイ・ニパ村の名前にちなんだとのことだ。
自然宿主は未だに不明だが、フルーツコウモリが最も疑わしいらしい。
なぜ豚へ感染したかなど実体は分かっていないが、この病気になると豚は、動きがせわしなくなったり、息をゼーゼーさせたり、激しく咳き込んだり、無気力になったかと思うとアグレッシブな行動に出たりと神経症的な変化(neurologic changes)が観察さる。
人への感染は、この病気に罹った動物の血液やふん尿、そして体液と接触した場合に限られるらしい。
また、豚肉は熱を入れれば感染は考えられないということで、一般的な住民への感染拡大のリスクは少ない模様だ。