「コプラナPCBは、過去に使われていたPCB製品の中や廃棄物焼却施設の排煙中に含まれており、ダイオキシンと類似した毒性を持つ。1997年の厚生省の調査では、日本人の平均的な食事から摂取するダイオキシン類が0.96ピコグラム、コプラなPCBはダイオキンの毒性に換算した量で1.45ピコグラムと多く、対策の必要性が指摘されていた。」(4.15.1999東京新聞日刊)
また、「PROCEEDINGS OF THE EXPERT PANEL WORKSHOP TO EVALUATE THE PUBLIC HEALTH IMPLICATIONS FOR THE TREATMENT AND DISPOSAL OF POLYCHLORINATED BIPHENYLS- CONTAMINATED WASTE」(公衆の健康に関わる、PCBsの扱い方とPCBsに汚染された廃棄物処理の調査について専門家会議の進行状況)の文書によると、PCBsの暴露が非発ガン性の影響(non-cancer effects)を受けることが注目されている。それは生殖(reproductive)であり、神経(neurologic)であり、発達(development)、免疫(immunologic)、そして内分泌かく乱(endocrine system)です。
これらは、動物実験や、鳥やは虫類など野生動物のフィールドサーベイで、今のところ他の同類の化学物質との複合性などは不明ながら、非発ガン性の健康影響が多く報告されています。
職場での暴露と健康調査
PCBsで起こりうることは、様々なシナリオが考えられています。
かつてアメリカで調査されたのは、コンデンサーや変圧器などPCBsを材料にして作られた製品の製造ラインで働いていた労働者への影響です。
ことに女性作業員が、PCBsに暴露後、出産した胎児に影響が出ないかなどが調べられました。前出のATSDR(Toxic Substances and Disease Registry)の文書、Chapter2によると、「2つのコンデンサー工場で、PCBsに高レベルで暴露されてた女性51人が、その後出産した乳幼児を疫学的に調査したところ、同工場のPCBsの非暴露者の337人に比べると、出生時の体重が低いという結果が出た。(Taylor et al.1984)
また、NIOSHでは、1990年にPCBの貯蔵に携わる従業員60人の皮膚テストと血しょうレベルのテストを行ったが、血しょうのPCBレベルは1〜23ppbの範囲であり、平均で6ppb。そして、ダイオキシンやPCBsやナフタリン油、塩素系農薬などが体内に蓄積すると、皮膚に出る症状であるクロロアクネ(chloracne)の徴候は、(このレベルの蓄積では)作業員の誰にも見られなかった。
NIOSHが考えるところでは、クロロアクネの出現は、ダイオキシンなど他の化学物質の影響がないとして、血しょうレベルが200ppb以上の人に限られるようだとしている。
ただし、変圧器を製造する労働者55名への調査(56名の非暴露者との比較)では、色素沈着が見られたということです。
ところで、クロロアクネとは、塩素座瘡のことで、先日(3.26.1999)、大阪府能勢町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」の元作業二人が淀川労働基準監督署(大阪市)へ、労災申請を申し立てたが、「大腸がんや重い皮膚病になったのは施設内の高濃度ダイオキシンが原因」(3.26.1999東京新聞夕刊)と被害と訴訟の根拠の一つにあげています。
環境中のPCBsと健康影響
PCBsは、説明責任が問われる物質(accountable amount)ですが、しっかりと制御下に置かれているわけではないようです。日本にあって、その6割は行方が分からないということです。
それで、1970年代に生産が中止されたにもかかわらず、環境中のPCB濃度は、横ばいか増える傾向にあります。なぜかというと、
アメリカなどでは、「Polychlorinated Biphenyls (PCBs)」のQ&A集によると、PCBsの健康被害を防ぐようなガイドラインを設けています。
都市ゴミの焼却がダイオキシンやPCBsを発生させ、周辺住民の発ガンリスクを増やしていることは、WHOの「Third Meeting of the Intersessional Group Intergovernmental Forum on Chemical Safety」のIncinerator Impacts on Public Health and the Environment(焼却炉は公衆の健康と環境に強い影響を与えている)の項目で解説されています。
これによると、日本は、プラスチックや塩化ビニールを含む都市ゴミを焼却しており、土壌のダイオキシンレベルを上げ、近隣に住む住民の発ガンリスクを増やしている、とリポートされている。
また、スペインの専門家は、焼却施設周辺に住む人の血液中のダイオキシンレベルは、他の地域の住民にくらべて10〜15%高く、PCBsレベルが5%高いなど、気になることが書かれています。
カネミ油症(食物からのPCBの汚染事故)訴訟は、ほぼ30年が経過したのち、和解が成立し、つい最近(1999.4)、被害者に対して政府が仮払いの返還請求を行いました。つまり、補償金を返すよう求めました。
PCBsなどをインターネットで調べていると、こうしたニュースがよそ事でないように感じられます。