報道というのは、「カップめん容器、食品トレー 環境ホルモン溶出を確認 (国立衛生研)」4.25.1998東京新聞日刊、や「カップめんからスチレン 環境ホルモン溶出(横浜国大試験) 」2.19.1998毎日新聞日刊などです。
そこで、不安ばかり抱いてもいけなので、環境ホルモンの調査の進み具合や、その評価方法の開発状況などをインターネットで調べてみました。
化学物質が、人の健康や生態系に悪影響を与える恐れの程度を「環境リスク」というそうです。
環境リスクの評価は、今まで発癌性や急性毒性についてなされてきましたが、内分泌かく乱物質が大きくクローズアップされる中で、胎児期での暴露や生殖毒性、慢性毒性のテストが重要になってきました。
現在、OECD(経済協力開発機構)のテストガイドライン(OECD Guideline for Testing Chemicals)やアメリカEPAのスタンダードメソッド、イギリスMAFFのEQS(Environment Quality Standard)など、再改定と規格化が急ピッチで進んでいます。
これらのテストガイドラインやスタンダードメソッドは、作成が進行中ながら、できたものについてインターネットでも見ることができます。
テストの方法などは、専門的で難しいので省略しますが、実験動物を使ったり、細胞レベルで二世代に渡る毒性を試験し、
ある種のプラスチックが本当に危険であるか、または今までのような使い方で差し支えないかは、こうした分析方法と評価法が確立されなければ分らないということです。
パッケージの溶出テストは、イギリスのMAFF「Food Surveillance Information Sheet Number 38」や、アメリカFDAの「RECOMMENDATIONS FOR CHEMISTRY DATA FOR INDIRECT FOOD ADDITIVE PETITIONS」で、確認することができます。
それによると、改定前のリスク評価は、Polycarbonates(ポリカーボネート)やPlystyrene(ポリスチレン)などが一日にアメリカ人の体内に入る可能性がある量は、合計約
EDI(estimate daily intake) = 3 kg food/person/day x 0.19 mg antioxidant/kg g food = 0.57 mg/person/day とされます。
つまり、業界団体の言うような古いの評価法に従うなら、一日3kgの食物を食べるとして ポリカーボネートやスチレンは合計 0.57mg/person/day 体内に入っているに過ぎず、耐容量が2.4 mg/person/day <the additional proposed(付加的な安全率を加えて) 3.0 mg/person/day>ということから、「いまのところ問題になるレベルではない」という表現になるのだと思います。
また、日本の厚生省の言うような「日本の溶出基準は30万ppbと決めてあり、法的には問題ない」となるのでしょう。
しかし、評価法そのものが問われているので、「法的には何も問題ない」と言われても、すぐには信じられない状況になっているのではないでしょうか。
ただ、ビスフェノールAやポリスチレンは、環境ホルモン物質の疑いがある物質にリストアップされているけれども、イギリスやアメリカの政府機関のポリシーでは必ずしも優先順位が高くなく、マスコミが言うようには危険度は高くないかもしれません。
それで、環境リスク評価の再改定ができるまでは、発泡スチレンの弁当を電子レンジで暖めたり、ポリ塩化ビニール製のラップで油ものの食べ物を電子レンジで熱くさせないなど、「悪いかもしれない(灰色)と言われること」を強いてしないというのも一つの方法かもしれません。
アメリカの化学工業協会(Chemical Manufactures Association)は、この3年間で4百万ドル(約5億2千万円)の予算をかけて、この内分泌かく乱物質についての調査と研究を行っているそうです。そして、業界団体とEPA(アメリカ環境保護疔)との間のデータギャップについて擦り合わせをしています。例えば、(1997 Great Lakes Endocrine Disrupters Symposium EPA)
日本でも、スチレン工業会などの業界がテストを開始した模様なので、これらの推移を見ながら、引き続き調べていきたいと思います。