脳内薬品SSRI

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うつ病とインターネット情報 

メンタルヘルス
 アメリカやイギリスなどメンタルヘルス先進国では、心のバランスが崩れそうになったり、心の病気が疑われるときには、わりに日常的にカウンセラーにかかり、歪みを矯正してもらうそうです。カウンセラーとの付き合いは、上流社会の一種のステータス。
 そういえば、プリンセス・ダイアナが(ワイドテレビによると摂食障害で?)心療内科医へ通っていらっしゃいました。
 カウンセラーとお近づきのない私たちは、歯科で歯並びを矯正するような気分で、精神科のクリニックへ出かけられるものでしょうか?
 心療内科の先生によると、ほとんど多くの患者は、身体的な不調を内科や循環器科へ訴え、精密検査でどこも異常が見つからず、不定愁訴と診断されるか、原因不明のまま心の病が疑われ、心療内科に回されてくるそうです。

心療内科と精神科
 まず、一つ気になるのは、心療内科(カウンセラー)精神科との診察の範囲のことです。
 伊藤克人先生(東急病院心療内科医長)によると、「心療内科は、心身症だけをみるのではなく、『ストレス関連疾患』をみる科といってよいでしょう」ということで
胃潰瘍および十二指腸潰瘍過敏性腸症候群神経性嘔吐
本態性高血圧神経性狭心症過呼吸症候群気管支ぜんそく
甲状腺機能亢進症神経性食欲不振症偏頭痛筋緊張性頭痛
書痙痙性斜頚関節リュウマチ腰痛症
頚肩腕症候群原発性緑内障メニエール症候群円形脱毛症
インポテンツ更年期障害心臓神経症胃腸神経症
膀胱神経症神経症自律神経失調症神経性抑うつ状態
反応性うつ病その他
(労働省ストレス委員会、1986)が対象になります。
 これに対して精神科は、軽いストレス病を見てくれるかどうか病院によりまちまちなので、できれば内科医の紹介状をもらったり、知り合いの保健婦さんや看護婦さん、企業の衛生管理者などの信頼できる人と相談して受診するようにしたほうがよさそうです。

うつ病または仮面うつ病の症状
 最も多い症状は、頭痛肩こり下痢便秘血圧が高い心臓の不調などです。
 症状が軽いうちならば、カウンセラーが話しを聞いて、ストレッサーに対する一種のガス抜きをするだけで、症状が改善されることがあるそうです。
 また、運動をしたり休養したり、気分転換を図るだけでもかなりの効果が現われるということです。

うつ病の治療
うつ病の症状が重くなっても、治療の基本は変わりません。

の三つです。
 「うつ病は、後遺症のない病気ですから、治れば職場へ復帰して通常の仕事に戻ることができます。ただ、その際、本人が責任のある仕事についている場合は、上司はその責任を免除して、本人が気がねなく治療できるように配慮する必要があります」(荒井稔先生 順天堂大学医学部精神医学教室講師)
 また、周りの人が注意したいのは、「抑うつ状態になると、自分を過小評価したり、自分を卑下したり、何事に対しても罪責的になってしまう人が少なくありません。・・・(中略)その悲観的な考え方が極端になると、やがて自殺願望となってあらわれますから、そこまでいかないうちに、きちんとした治療をすることが予防の面からも非常に大事になってきます。」(荒井先生)
 「『うつ病』は抑うつ状態が半年以上続いて慢性化すると、極端な場合は、自殺行為の危険が高まりますが、全体の八割位までは後遺症もなく、短い人で1ヵ月、長い人で半年、平均して3ヵ月ほどでほぼ完治します。」(荒井稔先生)  「暮らしと健康19971月号」より抜粋


注目の新薬
 薬物療法としては最近、テレビや雑誌で 脳内薬品 SSRIが話題になっています。
 Selective Serotonin Reuptake Inhibitor(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)。アメリカでは、第一世代のうつ病治療薬(抗うつ剤)に比べ副作用が少ないので、強迫神経症(obsessive-compulsive neurosis)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、摂食障害(eating disorder)などに用いられ、その効果がもてはやされています。
 日本でも、まだ発売されていないにもかかわらず、若者の間ではひそかなブームのようです。「SSRI」や「脳内薬品」というキーワードでロボット型の検索エンジン(infoseek や goo)を探すと、きわどい内容のものがいくつかヒットしました。
 それらの記事によれば、若者たちは、この薬を気分をハイにしてくれるドラックの一つとして取り込もうとしているかに見えます。
SSRIは今のところ日本で承認されていないので、販売目的による個人輸入は法律違反ですが、インターネットにバーチャル薬局があり、そこで注文すると、買えてしまうのだそうです。

   SSRIでもっとも、シェアがあるのはリリー薬品のprozac(プロザック)です。これは、SSRIの代名詞にもなっている薬で、インターネットでこの薬に関する記事はいくつか見い出すことができます。
 そのなかでも、メリーランド大学のDrug information center で、A REVIEW OF PREGNANCY OUTCOME FOLLOWING EXPOSURE TO NEWER ANTIDEPRESSANTS(新抗うつ剤投与による妊婦への影響調査)やThe Role of Tricyclic Antidepressants in Attention-Deficit-Hyperactivity Disorder(多動性注意力欠如障害における抗うつ剤の役割について) などの副作用情報やレポートが参考になるでしょう。
 また、Psychiatry,SSRI's,Prozacでは 精神病治療薬に関する本の情報が集められています。 これらの本の解説文は、(しばしば日本でもそうであるように)センセーショナルに書かれているのでかなり刺激的です。
 たとえば、「prozacは万能薬、それともパンドラの箱?」では、2年間この薬を服用していた患者の一人は、悪夢や夜間徘徊に悩むようになり、この2年間の出来事が現実のものか空想のものか判断できないといっています。(どのよな服用の仕方をしたかは不明です)
 こういったマイナス面もあるようですが、三環系抗うつ薬や四環系抗うつ剤に見られたような抗コリン作用という副作用が少なく、用法と用量を間違わず、医師の指導で服用していれば、大変有効な薬というのが一般的な評価です。
 SSRIは、日本ではフルボキサミンという薬が、ただいま臨床試験中で、まもなく販売される予定だそうです。  


用語解説:SSRI
抗コリン作用(anticholinergic effect) 抗精神病薬・抗うつ薬・抗不安薬により、口内乾燥・眼圧上昇・排尿障害などが起こることがある
関連URL:
SSRI Use in Pregnancy Pharmacy Practice Resident, UMMSUniversity of Maryland, School of Pharmacy Drug Information CenterAugust 1995(メリーランド大学)
上記のファイルの概要(翻訳) サイト内
Drug Information アメリカ厚生省(FDA-CDER)
Psychiatry,SSRI's,Prozac
Smart Drag  バーチャル薬局 
資料:
「ストレスと突然死」現代のエスプリ(HIBUNDO)1991.8
暮らしと健康(保健同人社)1997.1  9月号にもうつ病の記事(柏瀬宏隆先生 防衛医科大学校精神科助教授)があり要チェックです
精神科ポケット辞典(弘文堂)
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