ところで、今回の報道発表は、ミノキシジルが高血圧症や心臓に疾患のある人に不具合(心筋梗塞など)が出るという疑いが持たれ、使用に際して医師や薬剤師と相談するなどより慎重にしてほしいということです。
厚生省の前出の文書「医薬品等安全性情報(No.157)」には、「12月2日(1999)までに循環器系の副作用が医療機関等より13例報告されており、そのうち7例については狭心症・高血圧等循環器系の既往のあるものであった。その他にも消費者、家族等からの情報に基づく報告も約30例あり、現在詳細な調査を実施しているものの、情報不足のため評価は困難である。」と書かれてあります。
そこで、ミノキシジル(minoxidil)について、より詳しい内容をインターネットで調べてみました。
アメリカでは、この話題はどうも古い感じで、1980年代までさかのぼらなければなりません。FDA(アメリカ食品医薬品局)の「「HAIR! From Personal Statement to Personal Problem」というリポートによると、ミノキシジルはFDAが育毛剤として公式に認可した最初で唯一の製品の成分であるということです。(その後飲み薬の「プロペシア」という薬が認可された)
ミノキシジルは、もともと高血圧症や動脈硬化症などに処方される血管拡張剤として開発されたが、その副作用(副効用)として育毛促進効果が確認され、育毛ローションや育毛の飲み薬として生産されることになりました。
アメリカではファルマシア・アップジョン社からロゲイン(Rogaine)という商品名で、ミノキシジル2%のローションが、男性の普通の遺伝的な原因による禿げに限り効果がある薬として1988年にFDAにより認可され、女性用については1991年に認可され、販売されてきました。(ただし、妊婦や授乳時には安全性は確認されていません)
それなりに歴史のある薬ということです。
ミノキシジルの効果
ミノキシジルが、なぜ発毛に効果があるのかまだ分かっていません。ただ、ニューヨーク大学メディカルセンターのP. Bertolino, M.D., Ph.Dによると10〜14%の人は使用後数カ月で桃の産毛のような髪の毛が頭頂部に生え、90%の人は髪の毛の喪失速度を遅らせることができたということです。
男性に限っていえば、ロゲインは次のような状況で効果が期待できるそうです
また、「Hair Replacement:What Works, What Doesn't」(FDA)に書かれているPharmacia& Upjohnのテストでは、18〜49歳までの男性では、4ヶ月後に26%の人がハッキリとした発毛が認められ、33%の人がちょこっと毛が生えた。そして、18〜45歳の女性で約20%が緩やかな発毛、40%がほんの少しの発毛が見られたということです。
ただし、ミノキシジルは使用を止めてしまうとせっかく生えた髪の毛も落ちてしまうらしく、長期間続けなければいけない。つまり、1日に2回つけるとして、ミノキシジルの育毛が10〜14%(20〜26%)の確率にかけて、年間5〜10万円の費用を覚悟しなければならないようです。
育毛と栄養素の関係
いくつかの栄養素は、脱毛と髪の健康状態に大きな役割を果たしています。
前出の「HAIR! From Personal Statement to Personal Problem」によると、脱毛は、ある栄養素の不足でも起こるし、ある栄養素の過剰摂取でも起こる。
もっとも顕著な例として、拒食症、または過食症により一時的に髪を失うことがある。また、基準に合わないような制限食を行ったような場合にもそのようなことが起こることがあるということです。
第6次改定日本人の栄養所要量(第一出版)は、
ミノキシジルと心筋梗塞
アメリカでも「ミノキシジルと動悸・胸痛など」の報告が医療機関からなされたことがあったが、FDAの20000例にわたる調査では、ミノキシジルと心筋梗塞などの心臓疾患とのはっきりとした因果関係は確認されませんでした。
1996.2月の「FDA APPROVES
また、使用中に胸痛、心拍数が多くなる、気分が悪くなる、目眩がする、説明つかないような短期間の体重増加、手足のしびれ、発赤などが出た場合には、医師や薬剤師に相談するように勧められています。
また、大正製薬の「リアップ」の使用上の注意には、『「高血圧、低血圧の方」「心臓又は腎臓に障害のある方」は医師・薬剤師の方々と相談してほしい』と記載されています。