フタレート(可塑剤)が問題
フタレート(phthalate)は、プラスチックを柔らかくするときに可塑剤として使われます。
11月16日(1998)にヘルスカナダ(Health Canada)は、「Health Canada advises parents and caregivers of very young children to dispose of soft vinyl (PVC) teethers and soft vinyl (PVC) rattles」(ヘルスカナダは、とても小さなお子さんをお持ちか世話をなさっている方に、ソフトビニール製のおシャブリやがらがら(玩具)を捨ててしまうようにアドバイスします」)で、いわゆる「ソフトビニール」と健康被害についてリポートしました。
その根拠となる実験データは、同じサイトの「Risk assessment on diisononyl phthalate in vinyl children's products」(幼児向けビニール製品に含まれるジイソノニル フタレートのリスクアセスメント)というページに詳しく記されています。
このリポートによると、このフタレート(DINP)をある一定以上摂取すると、腎臓や肝臓に障害が起こるかも知れないということです。また、人間に適用できるか分からないが、ネズミの実験では発癌性が認められました。
乳幼児が危険な理由
どの程度摂取すると危険かは、今のところ暫定的な数値ですが、月齢3か月から1年くらい(体重8kg)の乳幼児にとって、 フタレート(DINP)が 292μg/kg/day 以下と設定されています。
実際どれくらいの量のフタレートが摂取されているかは、probabilistic analysis(非厳密な分析?)によると、173.5 μg/kg bw/dayくらいであろうとされます。
一方、オランダのNational Institute of Public Health and the Environmentが、玩具などからフタレート(DINP)が溶出する割合(リリースレート)を実験しています。
これによると、DINPが玩具などから溶出する割合は、それぞれの製品でDINPの含有率と溶出率の間に有意な相関関係は見いだせなかったが、18μg/10cm3/h〜534μg/cm3/hが検出されました。平均では、109μg/10cm3/hということです。
このμg/10cm3/hというのは、月齢3〜12か月くらいの幼児の口の中で、おシャブリなどが触れる面積が10cm3として、1時間当たりに溶出するフサレートの量をマイクログラム(μg)で表しています。そして、幼児がよくするように歯で噛む動作を機械的に作り、人工だ液を使ってテストされました。
使わない方がいいらしい
乳製品や肉の脂肪分、そして食品パッケージなどから摂取されるフタレート(DNIP)の量は、だいたい50μg/kg/dayとされるので、242μg/kg/dayが乳幼児に残された摂取限度という計算になります。
それで、体重8kgの子どもが、約3時間あまり(一時間当たりの溶出の最大量から計算)おシャブリなどのソフトビニール製品を毎日続けてしゃぶっていると、健康被害を起こす可能性があるということです。
この理由から、ヘルスカナダ(Health Canada)は、ソフトビニール素材で作られたほ乳ビンの乳首やおしゃぶり、そして乳幼児用玩具を使うべきでないと、親や保育者などへアドバイスしています。
食品に含まれる各種のフタレート(total phthalates)の分析や、それぞれの耐容一日摂取量(TDI)などは、イギリスのMAFFが1996年に「PHTHALATES IN INFANT FORMULAE」(乳幼児用調合乳の中のフタレート)の中にリポートしています。でも、専門的すぎるのでここでは省略します。
食品経由のフタレートについては、今のところ避けがたいとしても、おシャブリや幼児用玩具については今すぐに、あれば捨て去り、代替品を探すべきかもしれません。