いわゆる栄養補助食品

健康・スクラップブック

いわゆる栄養補助食品

栄養保健薬とサプリメント
 ビタミン剤やミネラル剤などは、これまで栄養失調症など特定の病気を治療する目的で使われてきましたが、ここ20年の間に、食事と健康が直接的に関係付けられ、消費者から「健康の増進」・「病気のリスクを減らす」ものとして、食事で摂取するものと同等に評価されるようになりました。

 薬事ハンドブック1998年版によれば、これまで栄養保健薬は、ドリンク剤、ミニドリンク剤、各種ビタミン剤など12薬効で構成され、1996年には販売総額が2,498.8億円でした。うち内服薬は60%で、「ビタミンB1」「滋養強壮剤」「総合ビタミン剤」が高い水準で販売されてきました。
 ところが、ここのところサプリメントやダイエット対策製品が急激な延びを見せ、消費生活の中に食品の一つとしてすっかり定着し、栄養保健薬の領域を脅かすまでに成長しています。

サプリメントとは?
 昨年(1998)12月に厚生省の「いわゆる栄養補助食品の取扱いに関する検討会」で議論され、医薬品と食品を区別する範囲の見直しが行われています。そうした流れの中、「ミニドリンク剤」が3月31日(1999)からスーパーやコンビニエンスストアーで買うことができるようになりました。レジ近くの棚に並べてあるのを見た人も多いと思います。
 加えて、インターネットの普及により海外から簡単に輸入でき、こうした意味からも栄養補助食品は、より身近になった感じがします。

 ところで、栄養保健薬とサプリメントの違いは、実質的にないといってよいようです。
 医薬品として売られるか、食品として売られるかの相違で、あからさまに効能をうたって売ることができないのがサプリメントと思われます。
 ともかくサプリメントは、例えばプロテインやアミノ酸がスポーツパフォーマンスを上げたり、細胞を修復したり、ミネラルが体調を整えたり、ビタミンが怪我や病気の治療を促進するかもしれないと、注目されています。
 そして、アレルギー治療では、ビオチンやビタミンAが皮膚の状態を整えたり、EPAやDHAがアレルギーの活性を抑えるなどの有用性がいわれています。

 サプリメントは、アメリカのDSHESの定義によると、

 「An FDA Guide to Dietary Supplements」(アメリカFDAの栄養補助食品ガイド)という文書によると、アメリカでは1996年に$6.5billion(約7800億円)販売され、アメリカ全人口のうち約半数はサプリメントを利用したことがあるということです。
 販売量の急成長を背景に、DSHEAでは生産者に対して、製品に「Dietary Supplement」であるむね表示するように要請しています。また、1999年3月、「Supplement Facts panel」をラベルに記載することが始められています。
 このパネルには、サービングサイズ(一回量)、カプセルやパックの内容量、主成分、そして分かっている範囲で一日所要量などが記載されています。例は、FDAの「Anatomy of the New Requirements for Dietary Supplement Labels」というPDF書類で確かめることができます。

サプリメントで気をつけたいこと
 サプリメントは、医薬品のような形をしているけれども、あくまで食品なので、市場に出る前に公的な研究機関が試験をして、安全性を確認しているというわけではありません。
 同じ理由で、それは訪問販売、カタログ通販、テレビショッピング、インターネットなどでダイレクトに売られます。
 それで、信頼性が乏しい製品で体調を崩したり、また詐偽行為によって消費者が不利益を被ることがあるかもしれません。
 ともかく、こうした製品にまつわるさまざまな苦情の発生が、・・・例えば

  1. 本当に表示された栄養成分が含まれているのか?
  2. これが原因で体の具合が悪くなった
  3. カタログやラベルに書かれたり、販売者から説明された効能は真実か  などが発生しています。
 FDAの「Supplements Associated with Illnesses and Injuries」(病気や危害を及ぼしたサプルメント)には、最近起こった栄養補助食品関連の苦情、およびリコール(回収)とその内容がリストアップされており、参考になると思います。

 ハーブ(薬草、漢方)関連では、Chaparral(伝統的なアメリカインディアンが使う草)、comfrey(ヒレハリソウ)、Slimming(ダイエットティー)、Ephedra(エフェドリンを含む)、Germander、Lobelia(キキョウ科ミゾカクシ)、Magnolia、Willow bark(柳の樹皮)、Wormwood(ニガヨモギ)です。
 特にEphedra(エフェドリンを含む)というサプリメントは、「ecstacy」という名前で流通し、植物由来のナチュラルな?(販売者はしばしばこう言う)成分が、多幸感や性的な感覚の増強、そして高揚感をもたらすとされます。日本でも合法ドラックとして一部で売られたことがあります。
 しかし、起こりうべき副作用として、心臓発作、卒中、精神異常などが上げられ、危険きわまりないもののようです。
 繰り返しになりますが、栄養補助食品は、医薬品として薬事法で規制されないだけに、こうしたものが簡単に流通してしまうことがあるかもしれません。

その他の注意点
 サプリメントを使う前に医師と相談した方がよい人は、前出の「Supplements Associated with Illnesses and Injuries」によると、

 また、ビタミンやミネラルの中には、過剰症が心配されるものがあります。
 ビタミンAは、一日25000mgを超えてとり続けると、異常出産や骨の変型が起こることがある。
 ビタミンB6は、一日100mgを超えてとり続けると、神経障害などが起こることがある。
 ナイアシンは、一日500mgを超えてとり続けると、胃痛や吐き気、下痢、そして肝機能障害を起こすことがある。
 セレニウムは、一日800μg〜1000μgを超えてとり続けると、細胞がダメージを受けることがある。

 その他、
 ゲルマニウムは、腎臓障害が起こることがあり、死にいたることもある。
 トリプトファンは、eosinophilia myalgia syndromeや血液障害、筋肉や関節の痛み、虚脱感、皮膚の湿疹、腕や足のむくみなどが起こることがある。

 ともかく、サプリメントは、食品なので消費者は自らの責任において選択する必要があり、また海外から新種のものが入ってくる可能性もあり、常に新しい情報が不可欠なのだと思います。


参考資料:
アメリカ(USDA)のサプリメントの栄養成分値をCaloric Diet用(バージョン4.2まで)に変換したもの(100g当たり)をご紹介します。よろしければCaloric Dietの資料欄にコピー&ペースとしてお使い下さい
データの並びは、
食品名,コード,カロリー,ジュール,タンパク質,脂質,糖質,繊維,カルシウム,リン,鉄分,ナトリウム,カリウム,マグネシウム,亜鉛,銅,レチノール,カロチン,A効力,ビタミンB1,ビタミンB2,ナイアシン,ビタミンC,ビタミンD,ビタミンE,コレステロール,塩分,食物繊維,

*protein powder*,R,400,1674,31.0,9.0,49.0,0.0,880,790,7.0,1540,400,110,4,2,663,0,2210,0.90,0.13,7,40,0.0,0.8,0,4,5.1,*パウダープロテイン*,*プロテインパウダー*
*protein supplement powder*,R,388,1623,56.4,3.5,28.2,0.0,438,882,44.4,653,378,38,4,2,0,0,0,6.88,7.20,35,0,0.0,0.3,0,2,4.9,*プロテインサプリメント*,*プロテインサプルメント*
*formulated diet*,R,139,582,5.1,4.9,18.5,0.0,59,59,1.3,98,176,29,2,0,73,0,244,0.25,0.25,3,15,0.0,0.1,0,0,1.0, *meal replac/supp*,R,122,513,4.1,4.5,15.5,0.0,61,56,1.1,76,154,25,2,0,50,13,252,0.22,0.24,3,15,0.0,0.4,0,0,0.6,*サプリメント*,*サプルメント*
*protein tablet*,R,403,1686,58.6,3.6,29.3,0.0,1833,917,46.2,679,392,40,4,2,0,0,0,7.15,7.48,37,0,0.0,0.3,0,2,5.1,*プロテイン錠*
*protein diet powder*,R,388,1623,56.4,3.5,28.2,0.0,1764,882,44.4,653,378,38,4,2,0,0,0,6.88,7.20,35,0,0.0,0.3,0,2,1.0,*プロテインダイエットパウダー*
*high protein bar*,R,457,1912,19.7,19.0,45.8,0.0,634,208,8.1,626,362,113,4,1,317,317,3168,0.96,1.08,13,38,0.0,1.8,0,2,2.7,*高タンパクバー*
*high protein candy*,R,446,1866,16.1,14.3,62.5,0.0,294,294,11.2,674,390,71,4,2,0,0,0,0.95,1.21,1,0,0.0,2.5,0,2,4.1,*高タンパクキャンディー*
*high protein cookie*,R,309,1293,42.1,5.6,28.1,0.0,240,240,9.2,810,646,58,3,1,0,0,0,0.78,0.99,1,0,0.0,0.0,0,2,0.7,*高タンパククッキー*
*textured vegetable protein*,R,329,1377,47.0,1.2,38.4,0.0,241,674,9.2,20,2384,290,2,4,4,4,40,0.70,0.25,3,0,0.0,0.2,0,0,10.8,*野菜生地プロテイン*
*meal replac/supp liquid*,R,139,582,5.1,4.9,18.5,0.0,59,59,1.3,98,176,29,2,0,73,0,244,0.25,0.25,3,15,0.0,0.1,0,0,1.0,*液体サプリメント*,*液体サプルメント*

 日本の市販品のデータを使う場合は、不明の栄養素の欄に「0(数値のゼロ)」を入れて下さい。


関連URL:
「いわゆる栄養補助食品の取扱いに関する検討会」 厚生労働省
「An FDA Guide to Dietary Supplements」 FDA
「Anatomy of the New Requirements for Dietary Supplement Labels」(PDF書類) FDA
「Supplements Associated with Illnesses and Injuries」 FDA
HHS NEWS FDA ephedra(ecstacy) FDA
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