海外旅行と感染症
健康・スクラップブック
海外旅行と感染症
バブルが去って、以前程ではないにしろ、海外を訪れる日本人は年間で1600万人になるそうです。それと共に、海外で伝染病などに感染するケースも多くなったと言われます。
また、薬剤耐性の病原菌が出てくるなど、感染症は決して侮れないので、予防対策を十分とることが大切です。
新聞から情報収集
それで、海外へ旅行するにあたっては、以下のような新聞情報は見のがすことができないでしょう。
- フィジー・豪でデング熱流行
【シドニー30日=吉田秀雄】南太平洋の島国フィジー首都スバ及び周辺地区でデング熱が流行、同地の国立病院によるとニ十日までに三十一人が感染、うち三人が死亡した。感染者はすぺて現地住民で旅行客はいない。
また、日本人観光客にも人気のオーストラリア北東部の海岸リゾート、ケアンズでも二週間前にデング熱が流行、二十三入の感染が確認されたが、その後も十八人に感染の疑いが出て検査中。デング熱は蚊によって媒介される熱帯伝染病。感染すると頭痛、関節・筋肉痛、発疹、下痢、鼻や歯茎からの出血なども伴う。フィジーの場合、症状が出てから三〜5日以内に死亡した。
朝日新聞12.31.1997 朝刊
- 東アフリカの奇病はウイルス性の熱病 WHOの当局者
【ナイロピ6日=共同】ジュネーブからの報道によると、世界保健機関(WHO)当局者は6日、ケニアとソマリアの国境地帯で昨年末から流行しているエボラ出血熱に似た症状を示す奇病について、東アフリカ地帯の特有のリフトバレー熱であることを明らかにした。
リフトバレー熱はウイルス性の熱病で、羊などの家畜から人間に感染する。今回の流行は家畜から始まり、死んだ家畜を食用に解体したため、多くの人が感染したらしい。
ケニア、ソマリア両国では、昨年十二月からこれまでに三百人近くが死亡しているが、当局者は、これ以上流行が拡大する恐れはないとしている。
日経新聞朝刊 1.7.1198
インターネットによる情報提供
また、インターネットでも比較的豊富な情報へアクセスすることができます。
たとえば、海外出張や海外旅行をされる場合、渡航目的国の状況の把握は、まず「外務省の海外安全相談センター情報(渡航情報)」が要チェックです。
ここには、国別に「海外危険情報」や「医療・衛生情報」などのきめ細かなデータがあり、目的国の状況を知ることができます。危険情報というのは、紛争やテロなどの治安の状態、また伝染病の発生などです。これらの情報は、随時アップデートされているようなので、信頼性が高いと思います。
- 海外危険情報
- 医療・衛生情報
3.12.1998現在報告されている感染症関連の危険は、「1/26付け発表・・フィジー:デング熱の流行、観光客への感染はないものの、熱帯縞蚊または一筋縞蚊に刺されないように注意が必要」「2/9付け発表・・グランド・コモロ島のMbeni Moroni地区でコレラが発生」が主なところです。
マラリアとその対策
日本人で最も多い輸入感染症は、マラリアです。「慈恵会医科大学・大友教授によると、年間120人くらいが海外で感染している」(「危険な病気対策マニュアル」より)ということです。
マラリアには、4つのタイプがあります。
- 熱帯熱
- 三日熱
- 四日熱
- 卵型マラリア
いずれも発病すると、発熱、脾臓の腫れ、貧血を起こしますが、恐いのは熱帯熱マラリアで1989〜91年の3年間で発病したのが95名で、死亡率は2.2%(慈恵会医科大学・大友教授調べ)、その他のマラリアでの死亡者はいないそうです。
また、特定の薬に耐性を持つマラリアがあり、訪問目的国により予防薬や治療薬が違うということなので、その面でもチェックが必要です。マラリアの情報で詳しいのは、姫路獨協大学 情報科学センターです。
ここのデータによると、マラリアには、「マラリア予防内服薬のクロロキンに耐性」と「マラリア予防内服薬ファンシダールに耐性」があることがり、特に東南アジアや中近東アフリカ、そして中南米や南米への渡航の際には予防薬の選択を適切にしなければならないようです。
予防薬のクロロキンやメフトキンは、現地や香港、シンガポール、欧州などの空港売店で入手できるようです。また日本国内では、主治医を介して伝染病院や大学の寄生虫学教室、検疫所などへ問い合わせるとよいでしょう。
予防薬の飲み方にはそれなりに作法があるようです。詳しくは、前出の姫路獨協大学のホームページに掲載されています。
また、最も大切なことは、吸血虫のハマダラカに刺されないような工夫をすることらしいです。
長そでのシャツと長ズボン、そして場所によっては昆虫忌避剤スプレーや防虫ネットが必需品。案外こういった日常的な予防対策が有効なのかもしれません。
用語解説
デング熱 ウイルス性出血熱の一種。ネッタイシマカやヒトスジマカの媒介で伝染する。潜伏期間は通常5〜7日で、悪寒、時には悪寒戦慄を伴って急に高熱をだし、3日くらいで急に37°までに解熱し、1日おいて再び39°に上昇するなどM字形の熱型を示すことが多い。とくにとっこうやくはないが、良性な疾患で致命率7は0.01〜00.3と低い。合併症もまれで、対症療法が行われる。
エボラ出血熱 1997年に確認された一種のウイルス性出血熱で、厳重な隔離治療を要する国際伝染病の一つ。常在国はスーダン、ザイール。人への感染はウイルスを含んだ汚染物に触れた時に皮膚の小さな創傷から感染する(注射器による感染を含む)。潜伏期は4〜16日、発病は急で、頭痛、背腰痛で始まり、高熱眼球結膜炎、咽頭炎、咳を伴う胸痛などが生じ、次いで嘔吐、下痢がはじまり、血便、膣出血、皮下出血など出血傾向が見られる。また、かゆみのない班丘疹性の発疹が全身にあらわれる。患者の半数は、4〜10病日に強い中毒症状と播く種性血管内凝固症候群を呈して死亡するが、もちこたえれば3病週以後回復する。
マラリア周期的な高熱、頭痛、悪寒、吐き気、貧血などが主な症状。世界で年間2億人以上が感染し、1億人以上が発病する。また子供を中心に100〜200万人死亡している。
関連URL:
渡航関連情報 外務省
海外医療情報 外務省
海外感染症通信目次
Emerging and other Communicable Diseases Surveillance and Control (EMC) 世界保健機関
海外旅行と健康 姫路獨協大学 情報科学センター
病原微生物検出情報(月報)
参考資料:
海外旅行健康・安全ガイド 講談社
海外安全ハンドブック(外務省監修) トラベルジャーナル
危険な病気対策マニュアル 工作舎
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