政府は二十五日の事務次官会議で、廃棄物焼却施設と製鋼用電気炉から排出される発がん性物質のダイオキシン類を抑制するため、大気汚染防止法と廃棄物処理法の政令改正などを決めた。二十六日の閣議で正式決定する。
これにより、欧米に比ベて遅れていた国内のダイオ十シン対策が、十二月一日から初めて法の規制に基づいて実施される。
環境庁は「焼却施設からのダイオキシンの排出量は年間五・三キロと推定されている。新たな規制により五年間で排出量の九○%を減らすことができ、汚染の状況も欧米並みに改善できる」としている。
大気汚染防止法の政令改正などでは、ダイオキシン類を「排出抑制が必要な物質に指定し、大気中の濃度を一立方メートル当たり○・八ピコグラム(ピコは一兆分の一)に減らすことを当面の目標とした。
一時間当たりの焼却能力が二百キロ以上などの廃棄物焼却施設(全国で一万千三百七十とすべての電気炉(全国で二百三十八)を対象に、排出量の削減目標となる「指定物質抑制基準」を施設の規模と種類に応じて設定し、@新設の施設は排気一立方メートル当たり○・一〜五ナノ(ナノは十億分の一)A既存施設は一〜十ナノ(五年間は暫定的に八十ナノグラム)-----とした。
廃棄物処理法の政令改正などでは、規制の対象となる焼却施設の設備を都道府県知事の許認可の対象にし、年一回の排出濃度測定を義務づけた。排出量が基準値を超えている場合、知事が立ち入り調査をし、必要があれば改善勧告、許可の取り消し、罰金(三百万円以下)などの処分ができるようにした。
さらに、規制対象外の小規模施設の処理基準を定め、ドラム缶や簡易な施設を使った焼却は認めないことにした。
環境庁は、来年度から小規模焼却施設や非鉄金属の金属炉などからのダイオキシンの発生量を調査し、必要ならば追加措置を検討する。
8.25.1997東京新聞 日刊